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ちょっと一息…… 古墳の名前はどうやってつけられたのか?

 

 被葬者を葬った時に名前はつけられるものでしょうか?

 つけられたとしても、名前を書いた碑などがあれば別ですが、千数百年も経た現在に正確に伝わるものとはとても思えません。

 やはり後世につけられた呼び名がほとんどでしょう。
 古墳を何か別のことに利用してそれが由来になっていたり、地名を転用したり(逆に古墳があるために地名に「塚」「山」などの名前がつく場合も多いようですが)。
 古墳の上や脇に神社などがおかれ、その名で呼ばれることも多いです。
 それにしても、二子山とか茶臼山とか稲荷塚とか全国に同じ名前を持つ古墳は多いですよね?
 ここでは、よくある名前についてちょっと考察してみたいと思います。
 ○○山、○○塚とかの○○の部分で考えて見ます。
 

見たまま系の名前
ふたご

ふたつ 
二子・双子

二ツ
全国的にポピュラーな名前ですね。
こんもりとした山が2つあるように見えるからでしょう。
前方後円墳、 前方後方墳 、双円墳や、2つの古墳がくっついている場合、この名前で呼ばれることがあるようです。
まるはか 丸墓 円墳でしょうね……多分。
違う例もあるのでしょうか? 
ちゃうす 茶臼 これもどこの地方にも結構ありますよね。
2段、3段築造されているところが、茶臼(茶葉を挽くための石臼)に似て見えるからからでしょうか。
おお 前方後円墳、円墳、方墳などなど色々あり、墳型に一定の決まりはないようです。
大きさも巨大古墳と言われるほどのものはあまりないように思われます。
ただ単に一般の墓とは違って、こんもりとして大きいという意味で呼ばれるようになったものでしょうか。
神仏系の名前
いなり
てんじん
かんのん
やくし
もんじゅ
だいにち
ふどう
稲荷
天神
観音
薬師
文殊
大日
不動 
特に稲荷・天神・観音は非常に多いように思います。混同を防ぐためか、地名を一緒につける場合もあります。(太田天神山、前橋天神山などなど)
墳頂に社殿や祠があったり、開口した石室に神仏像がまつられていたり……などでこの名で呼ばれるようになったものと思われます。
山岳信仰関連の名前
ふじ

せんげん
あさま
富士・不二

浅間
 
富士・浅間信仰
浅間(せんげん)は本来は「あさま」といい、古代では火を吐く山を「あさま山」といったとのこと。富士山も以前は火を噴く山であり、浅間信仰=富士山信仰と言っても良いようです。
ご神体は富士山=木之花咲耶毘売命(このはなさくやひめのみこと)で、富士山を眺望できる地域に多く神社があるようです。
古墳を山に見たて、社を立て、信仰の対象としたのでしょう。
あたご 愛宕 愛宕信仰
火防(ひぶせ)信仰の一つで、全国的に広がっているとのことです。
火防(ひぶせ)とは文字通り、火災を抑え、防ぐと言う意味。
鬼門に愛宕神社を祀ることで鬼門を鎮める意味もあったようです。

他には「将軍塚」など結構ポピュラーですよね。
伝承または武具などの出土物などからその地域を治めていた将軍や立派な武人が葬られたと考えられている古墳でしょうか。

この他にも今後気がつくものがあったら、どんどん更新していきたいと思います。
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