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りゅうてきづかこふん(あらきづか) / やわたこふんぐん・いたはなこふんぐん
的塚(荒木塚)古墳 / 八幡古墳群・板鼻古墳群
 

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八幡古墳群

八幡古墳群は烏(からす)川と碓氷(うすい)川に挟まれた八幡台地の中でも、 剣崎町(剣崎支台)、八幡町(八幡支台)中心に分布する。

群馬の石舞台とも呼ばれる国指定史跡観音塚古墳」など3基の大型の前方後円墳を中心に構成されている 。
 

安中市・板鼻古墳群

高崎市との境、安中市板鼻地区に十数基の小古墳から成る板鼻古墳群が所在している 。

行政区をまたぐものの、同じ台地上に近接するこの板鼻古墳群八幡古墳群に含まれるようだ。

群馬県古墳総覧〈2017」や「群馬県遺跡台帳」によると、石室が露出するなど、半壊状態の古墳が数基、残存しているらしいが 現況は未確認。

この龍的塚古墳は、板鼻1号古墳と採番されている。

「群馬県遺跡台帳」では北側の八幡霊園周辺に展開する若田古墳群に含めるのか「若田原古墳群」となっている。

若田古墳群(若田原遺跡)は八幡古墳群と別とされているが、一体と見る説もある。


龍的塚(荒木塚)古墳

板鼻古墳群の中でも東に位置し、県道10号を挟んだすぐ東側は高崎市となっており、八幡古墳群平塚古墳が近接している

竪穴式石室であり、八幡台地では最古の5世紀の古墳と推定され、まずこの古墳が造られ、東の平塚古墳5世紀後半)へと移っていったと考えられる。

古い資料では円墳とされており、前方後円墳説もあったが、2019年発行の高崎市発行の文化財報告書などでは「帆立貝式古墳」と なっている。

かつて周囲に古墳が複数存在し、周溝の中に陪塚と思われる3基確認されているが詳細は不明。

また、周囲に埴輪片が散乱していたということから、埴輪列が樹立していたと思われる。

平塚古墳に先行する、力のある首長墓だったと推定される。
 



▲南側から

周囲は畑になっている
 


▲墳頂への階段

荒木寅三郎之墓の標柱のみ
 

▲墳頂に小さな祠

お稲荷様が祀られている
 


古墳の名称について

『リュウテキヅカ』という音から、龍的塚、流敵塚、立的塚など字が当てられている。

板鼻古墳群中には、「龍的塚西古墳」「龍的塚北古墳」と表記される古墳もあり、2019年発行の高崎市発行の文化財報告書などには「龍的塚古墳」と表記 されているため、当サイトでは「龍的塚」を採用した。
(グーグルマップにも「龍的塚古墳」での登録がある)

群馬県古墳総覧〈2017」では、 「立的塚」となっている。

また、墳頂に市史跡の荒木寅三郎の墓があることから、「荒木塚」との別名もあり、「群馬県遺跡台帳 」では「荒木塚(立的塚)」との名称で登録されている。

出典が確認できなかったが、ネットでは「流敵塚古墳」を採用するサイトが多いようである。


▲祠の土台の石

竪穴式石室の石材を利用か?
 
安中市指定史跡・荒木寅三郎之墓


▲墳頂にある墓

荒木寅三郎は板鼻出身の医学者
 


▲墓の前の解説版

古墳についての言及は全くない
別名 流敵塚古墳
荒木塚、立的塚 「群馬県遺跡台帳 No.1917」
板鼻町1号古墳 「上毛古墳綜覧〈1938〉」
所在地 群馬県安中市板鼻387
(碓井郡板鼻町大字字毘沙門387)
築造年代 5世紀代 アクセス
駐車場
 
形状 円墳 (帆立貝型前方後円墳?)
直径:40m
直径:20m 高さ:5m(県台帳)
埋葬施設

竪穴系石室

出土品 埴輪?
周辺施設 周濠
発掘 (調査)昭和32
参考資料 『上毛古墳綜覧』 1938
『安中市遺跡分布地図 市内遺跡詳細分布調査報告書』 2011 安中市教育委員会
 

探検日(写真撮影日)  2002年00月00日
第二回探検日(写真撮影日)  2020年04月25日
最新データ更新日  2020年05月26日

【参考文献】
□高崎市文化財報告書第404集「若田坂上遺跡2」 市道C-1001号歩道橋整備に伴う埋蔵文化財発掘調査 2018
□高崎市文化財報告書第412集「剣崎東村遺跡」宅地分譲工事に伴う埋蔵文化財発掘調査 2019
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□群馬県遺跡台帳II 西毛編 群馬県文化財保護協会
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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