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 しろいしこんふぐん / ぐんまけんふじおかし けのくにしろいしきゅうりょうこうえん
白石古墳群 / 群馬県藤岡市 毛野国白石丘陵公園
 

※写真は全てクリックで拡大します※


白石古墳群

白石古墳群は鮎川の西岸に、南北約2キロにわたって展開される群馬県でも屈指の大古墳群である。

前方後円墳6基(かつては7基とされていたが、堀越塚古墳が調査により除外された)を含む300基以上の古墳が確認されている。

七輿山支群・猿田支群・稲荷山支群・下郷支群の4支群から成り、5世紀〜7世紀にかけて作られていて、石棺や石室の作り方も様々なものがある。

現在、稲荷山支群の中心部と、七輿山支群の七輿山古墳を含む地域が、「毛野国白石丘陵公園」として整備を進められている。


なお、スタジオジブリ映画「風立ちぬ」のモデルで、零戦の主任設計者である堀越二郎氏の郷里であり、 縁の深い地である。

伊勢塚古墳(美土里村56号古墳)
宗永寺裏西塚古墳(美土里村4号)
堀越塚古墳(平井村465号墳)
 



▲白石古墳群分布図

各種資料を基に独自に作成したもの(当方で確認したもののみ)
 

七輿山支群 (七輿山古墳群)


白石古墳群中、北の一角に所在する支群。

1980年代に行われた藤岡市の遺跡分布調査では、七輿山古墳(国指定史跡)を中心 に、5世紀後半から7世紀にかけて築造された16基の古墳が確認されている。

中心となる七輿山古墳は、白石古墳群全体の中でも最大規模で、稲荷山支群の稲荷山古墳(国指定史跡)と共に群を抜いており、東日本でも最大級 の巨大前方後円墳である。

最北端に位置する伊勢塚古墳は不正八角形を疑われる円墳で、この地方特有の模様積みの美しい石室は一見の価値がある。
 

七輿山支群に現存する3基の前方後円墳の築造順序は以下の通りである。

宗永寺裏東塚古墳(5世紀後半) 53m
  ↓
七輿山古墳(6世紀前半) 148m
  ↓
宗永寺裏西塚古墳(6世紀後半) 48m

3基は1世紀ほどの間に造られたものであるが、真ん中に造られた七輿山古墳のみが突出しているのは、被葬者の力関係を表しているのか?

 



七輿山古墳(美土里村1号古墳)

 


伊勢塚古墳(美土里村56号古墳)


宗永寺裏西塚古墳(美土里村4号)

 


宗永寺裏東塚古墳(美土里村7号)


美土里村51号古墳

 


天神山古墳(消滅)付近?

稲荷山支群 (稲荷山古墳群)


白石古墳群中、中心部に所在する支群。

東日本屈指の巨大前方後円墳・白石稲荷山古墳を中心に、1980年代に行われた藤岡市の遺跡分布調査では、5世紀前半、6世紀後半から7世紀にかけて築造された9基の古墳が確認されている。

皇子塚古墳平井地区1号古墳は毛野国白石丘陵公園の中心部で、整備が進められつつある。
 


▲「毛野国白石丘陵公園」古墳分布図

藤岡市の計画図を利用して独自に作成
 



皇子塚古墳

 


平井地区1号古墳


平井地区2号古墳

平井地区2号北古墳
 


美土里村32号古墳?

(古墳の可能性ありの文化財)


喜蔵塚古墳


白石稲荷山古墳

 


十二天塚古墳
十二天塚北古墳
猿田支群

南北に長い白石古墳群中、ちょうど中間あたりに所在する支群。

稲荷山支群 (毛野国白石丘陵公園)が所在する上位段丘と、猿田川を挟んだ東側に円墳で構成されている。

1980年代に行われた藤岡市の遺跡分布調査では、17基の古墳が確認されているようである。

4つの支群の中では最も狭い範囲内に、猿田埴輪窯跡や古墳がひしめき合っていた。

現状、多くの古墳が削平されてしまい、残存している古墳も、農地などに半壊状態で放置されている状態で、風前の灯である。



藤岡市21号古墳(平井村540号)

 


平井村538号古墳

 


藤岡市25号、26号、27号古墳

 


鍋塚古墳(平井村536号古墳)跡?
下郷支群


白石古墳群中、南東に位置する支群。

1980年代に行われた藤岡市の遺跡分布調査では、萩原塚古墳、白石二子山古墳の2基の前方後円墳を中心に、4つの支群中、最も多い55基の古墳が確認されている。

(かつては堀越塚古墳も前方後円墳と考えられており、白石古墳群の前方後円墳は7基とされていたが、調査により円墳と判明し、6基となった。)

6世紀後半から7世紀にかけて築造されており、銀象嵌頭椎大刀を出土している新領塚古墳(佐平塚??)などを含み、7世紀まで継続して古墳が造られる。

江原塚古墳からは、七輿山古墳の系譜を引く貼付口縁の円筒埴輪が出土している。

現在、皇子塚古墳平井地区1号古墳白石稲荷山古墳が所在する稲荷山支群北部を中心として、七輿山支群の南部、七輿山古墳を含む地域一帯が、毛野国白石丘陵公園として整備を進められているが、猿田川の東側に位置する猿田支群、下郷支群 はほとんど放置状態で、個人の敷地内に残存古墳が寂しく点在している。



堀越塚古墳、萩原塚古墳、佐平塚古墳では横穴式石室が開口しており、所有者の方にお願いすれば、見学させていただけるようである。

当方では時間に都合で割愛したが、この他にもまだまだ多数の古墳が農地や個人宅の敷地内に存在する。
 

 



堀越塚古墳(平井村465号墳)

 


下郷古墳群K-2号(平井村461号墳


平井村484号墳

 


平井村449号古墳


平井村447号古墳

 


無名古墳(県台帳1568)?


平井村509号古墳


藤岡市99号墳
 


平井村505号古墳

 
白石古墳群 一覧
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現在、確認中
 

文献   更新歴

最新データ更新日  2019年07月29日

【参考文献】
□「群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編」群馬県教育委員会事務局文化財保護課
□「東国文化副読本 〜古代ぐんまを探検しよう〜」 群馬県文化振興課
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館
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