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ほどたはちまんづかこふん
保渡田八幡塚古墳
【HODOTA-HACHIMANZUKA Mounded Tomb】
探検日(写真撮影日)  平成15年01月26日
データ作成日  平成15年02月10日
最新データ更新日  平成16年10月05日

史跡指定 国指定史跡 保渡田古墳群 昭和60年9月3日
所在地
群馬県高崎市保渡田町1956 (群馬町保渡田) アクセス 保渡田古墳群の古墳地図

↑かみつけの里の博物館のパンフレットから。

ばかでかい古墳が、葺石と埴輪列で覆われている様子は、ちょっと異様。遠くから見ても悪目立ち。盗掘してくれと言わんばかりである。
保渡田古墳群中の一基。
築造当初の姿に復元されている。

後円部墳頂から階段を下りると、埋葬施設が見学できる。
 
【種類】
前方後円墳

【サイズ】
全長:85m
後円部径:38m
後円部高さ:6.4m
前方部幅:36.4m
前方部高さ:4.8m

【築造年代】
5世紀末〜6世紀前半

【埋葬施設】
・竪穴式石室
・石材:川原石中心
・幅:0.9m


←古墳の頂部は削られており、発掘するとすぐに石棺が現れた。内部は古く盗掘されていた。

石棺の突起を現地で欠き取り、遺物を納める副葬品室が造られていた。鉄で農耕具を模したミニチュアの祭具などが出土した。
【舟形石棺】
・刳抜式
・石材:輝石デイサイト質軽石凝灰岩製

石棺外寸(蓋・身)
 長さ:3.2m
 幅:0.9m
 高さ:1.4m(突起含む)
棺身内法     
 長さ:2.1m
 幅:0.7m
 深さ:0.45m
石室の石組みの上におかれた舟形石棺。 ・石棺の原材料の輝石デイサイト質軽石凝灰岩の層は高崎市西部の丘陵を中心に広がっている。
・この層から切り出し、粗加工された石棺は最低でも7q以上の道のりを運ばれてきて、古墳の近くで最終仕上を行って、ここに置かれたのである。
・柔らかい石なので、身と蓋に分けて切り出し、くりぬいて造ってある。
・石工が鉄の工具で削った跡も鮮やかである。
・魔除けや復活を祈って内部は赤く塗られている。
・この石棺は国内でも大きな部類に入り保存状態も良い貴重な資料。

石室蓋石

【出土遺物】
石棺内:鋳銅製神像、鉄地金銅張製の鏡板付轡と剣菱形杏葉

石室内:鉄刀、挂甲が出土したと伝えられるが挂甲を除く遺物が現存する。

中島から:土師器の杯・坩・高坏など70個と滑石製小玉2個。
 


【葺石】 墳丘の中段、下段に2列、中島に1列、周堀中堤上に存在。

1929年(昭和4)福島武雄さん達の発掘より
■墳丘は、堀を掘った土と近くから集めた土を盛り上げ、たたき締めて築かれた。
■斜面には榛名山東南麓の田から採取した石により「葺石」が施される。
■上段・中段の葺石は、やや石の密度が高い状態で施工され、下段の葺石は間隔をあけて省略していた。
■葺石の中に見えるの石列は、一人ないし一班の作業単位(工区)だと考えられる。
■各段の平坦面のうち中段平坦面には、玉石が敷かれていた。
 

↑発掘された東側くびれ部の
中島
【中島】 ・古墳の内堀の中には4ヶ所の中島。
・内堀を掘った時に島の部分だけ残し、若干の盛り土をして2段に整えられた。。
・回りには円筒埴輪が巡らされ、?(わん)などの土器が多量に出土した。

中島の性格は、
【1】古墳における祭祀の場
【2】近親者や従者の埋葬施設(陪塚)
などが考えられるが、いまだ明らかになっていない。

【埴輪列】

■円筒埴輪列が墳丘の中段、下段に2列、中島に1列、周堀中堤上に2列存在。
■中堤上の4区画からは一定の順序で並ぶ武人・鷹匠・巫女・農夫・馬などの形象埴輪の存在した。

【人物・動物埴輪群像(A区形象埴輪配列区)】
 内堤の上に、円筒埴輪による区画(約11m×5m)を設け、54体ほどの形象埴輪(人物や動物、道具類をかたどった埴輪)が置かれていた。
 この区画の最初の調査は1929(昭和4)年に行われたが、出土埴輪の約半分は失われた。

←ここに復元した埴輪は、現存資料や記録類、新たな出土資料を検討し、想定復元したもの。
椅子に座った人々のグループ、立ち姿の人々のグループ、狩りをする人と動物、整列する人や動物のグループなどいくつもの場面が見られ、様々な儀礼の様子を表したものだと考えられる。

     

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上州路散歩24コース

著者:群馬県歴史教育者協議会
出版社:山川出版社(千代田区)
サイズ:新書/220p
発行年月:2004年01月
税込 1,470 円

上州路の散歩コースと散歩事典。東国一の古墳文化上毛野、江戸北辺の守り上州、近代化遺産の宝庫群馬、常に時代の先端であった上州の地を訪ねる。

【目次】
第1部 上州路散歩24コース(相沢忠洋ゆかりの地を訪ねる/古墳時代上毛野の豪族をしのぶ/赤城山南麓の古墳群を巡る/上野国府・国分寺周辺を歩く/上野三碑ゆかりの地をたどる/中世新田荘を歩く/上野の名城箕輪城周辺を歩く/白井城と白井宿を歩く/東毛の山城に戦国をしのぶ/上州真田氏ゆかりの地を巡る ほか)/第2部 上州路散歩事典
東国古墳時代の研究

著者:右島和夫
出版社:学生社
サイズ:単行本/394p
発行年月:1994年05月
税込 7,646 円

【目次】
第1章 保渡田古墳群の研究/第2章 上野における群集墳の成立/第3章 上野の初期横穴式石室の研究/第4章 上野における横穴式石室の変遷/第5章 角閃石安山岩削石積石室の成立とその背景/第6章 総社古墳群の研究/第7章 截石切組積石室の研究/第8章 古墳からみた5、6世紀の上野地域/第9章 古墳からみた6、7世紀の上野地域
群馬の遺跡(4)

著者:群馬県埋蔵文化財調査事業団
出版社:上毛新聞社
サイズ:単行本/177p
発行年月:2004年11月
税込 1,300 円

【目次】
第1章 古墳時代の群馬は元気だった―群馬古墳学入門/第2章 豪族居館の発見/第3章 埴輪と古墳と古墳時代/第4章 巨石横穴式石室と豪華な副葬品―綿貫観音山古墳とその被葬者/第5章 多田山の唐三彩が語る歴史/第6章 群馬における古墳研究の歩み―『発墳暦』から観音山古墳・三ツ寺1遺跡まで/学習へのいざない
 群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社
発売日:2005/01/01
サイズ/ページ:21cm/
定価:1,301 円

目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

 

 



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