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あんぼりこふん(みさとむら91ごうこふん) / おふじやまみなみこふんぐん(あんぼりこふんぐん)
安堀古墳(三郷村91号古墳) / 御富士山南古墳群(安堀古墳群)
 

※写真は全てクリックで拡大します※


御富士山南古墳群中の一基

市指定史跡のお富士山古墳を含む御富士山古墳群などもひっくるめ安堀古墳群ということもあるようだ 。

前方後円墳だったが、現在、墓地になっているようで、わずかに墳丘の痕跡のようなものが感じられる程度である。

かつては線路を挟んで500mほど北西のお富士山古墳所在の長持形石棺が、この91号墳から出土したという説があった 。


長持形石棺出土地説

お富士山古墳所在長持形石棺がこの古墳から出土したという説の根拠は以下の通りである 。

文化13年(1816年)の『發墳暦』、文化7年(1810年)の『伊勢崎風土記』に、「安掘村の不二山から石棺(石室)が出土した」旨の記述があり、この「不二山」はお富士山古墳と思われ、石棺もお富士山古墳出土のと考えるのが自然であるが、

「上毛古墳綜覧」(1938)には、なぜか、お富士山古墳に石棺に関する記述がなく、91号墳の欄に「石棺が出土した」と 記載された。

というのも、91号墳もお富士山古墳と同様、富士神社の所有で、かつて富士祠から祀られており「不二山」と呼ばれていた可能性もあることから、『發墳暦』に記された石棺出土の「不二山」はこの91号墳 のことで、お富士山古墳所在の石棺は、91号墳から運ばれたものと考えられたようである 。

昭和10年の県下一斉古墳調査の際に確認がなされ、「上毛古墳綜覧」に記載されることになったものと思われ、それ以降、お富士山古墳所在の石棺は他の古墳のものという説が定説となったようだ。

仮に91号墳から石棺が出土していたとしても、それがお富士山古墳所在の石棺と同一のものとは限らず、両方から石棺が出土し ていたとも考えられる。

古墳が開発などで削平、消滅するというのなら、石棺のみ移動保存するというのも理解できるが、現状は墓地であり、僅かながら墳丘跡も残っている状態であれば、わざわざ石棺を別の古墳上に移動すると言うのも、不自然に思える。

しかし、あえて、お富士山古墳上にある石棺を91号墳から運ばれたものとした からには、明確で強い根拠があったと思われるが不明である。


(一般の方の墓所はプライバシー保護のため、ぼかし加工をしてあります)

▲南東から

群馬県古墳総覧の分布図では
この三角地の中に位置しており、
さらに奥に見える住宅の地番が
1080であることから、地番1079の
古墳はこの辺りと推測した

墓の背後、写真の左端から
右端まで、盛り上がりがある
 

▲北側から

右の奥と、左の中央付近にも
土の高まりが感じられる

73m超の前方後円墳の墳丘が
削られ、残った跡にも見える

墓地の周囲を囲む、粒ぞろいの
丸い川原石は、古墳の葺石
だったのではないかと思われる
 

お富士山古墳所在の石材

お富士山古墳の石棺覆い屋の脇に安置されているが、説明板等はない

お富士山古墳の石材かと思ったが管理の方にお聞きすると、近くの橋に使われていた石材とのこと

少し調べてみると、橋に使われる前には、古墳の横穴式石室の石材だったという伝えもあるようだ

この91号墳の石室の天井石で橋として使われた後、転々として、最終的にこの場所に安置されたということだが真偽・詳細は未確認

富士山古墳上の91号墳出土とされていた石棺は否定されたがこの石材まで、91号墳出土という説があるとは大変興味深い

石棺が『91号墳出土』という説とこの石材とが混同して伝えられた可能性も考えられる
 


お富士山古墳所在の石棺

かつては、この91号墳から出土したものという説があった

現在、調査により、お富士山古墳と石棺の築造年代がほぼ一致することから、石棺は他所から運び込まれたのではなく、お富士山古墳から出土した
ものであるとされている
 

所在地 群馬県伊勢崎市安堀町1079 アクセス
駐車場

伊勢崎市の古墳地図
別名 三郷村91号古墳(上毛古墳綜覧)、安掘古墳
築造年代  
形状 前方後円墳
全長:73.3m
埋葬施設 横穴式石室?
出土品 墳丘:埴輪(円筒、人物)
周辺施設  
調査暦 (測量)昭和32.5.7  

探検日(写真撮影日)  2019年04月22日
最新データ更新日  2019年08月16日

【参考文献】
□群馬県史 資料編3
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
東アジアに翔る上毛野の首長 綿貫観音山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」119)
スソアキコのひとり古墳部 (コミックエッセイの森)
東国大豪族の威勢・大室古墳群 群馬 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
関東古墳探訪ベストガイド
関東・甲信越古代遺跡ガイド
上州路散歩24コース
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上州路散歩24コース

著者:群馬県歴史教育者協議会
出版社:山川出版社(千代田区)
サイズ:新書/220p
発行年月:2004年01月
税込 1,470 円

上州路の散歩コースと散歩事典。東国一の古墳文化上毛野、江戸北辺の守り上州、近代化遺産の宝庫群馬、常に時代の先端であった上州の地を訪ねる。
【目次】
第1部 上州路散歩24コース(相沢忠洋ゆかりの地を訪ねる/古墳時代上毛野の豪族をしのぶ/赤城山南麓の古墳群を巡る/上野国府・国分寺周辺を歩く/上野三碑ゆかりの地をたどる/中世新田荘を歩く/上野の名城箕輪城周辺を歩く/白井城と白井宿を歩く/東毛の山城に戦国をしのぶ/上州真田氏ゆかりの地を巡る ほか)/第2部 上州路散歩事典
東国古墳時代の研究

著者:右島和夫
出版社:学生社
サイズ:単行本/394p
発行年月:1994年05月
税込 7,646 円

【目次】
第1章 保渡田古墳群の研究/第2章 上野における群集墳の成立/第3章 上野の初期横穴式石室の研究/第4章 上野における横穴式石室の変遷/第5章 角閃石安山岩削石積石室の成立とその背景/第6章 総社古墳群の研究/第7章 截石切組積石室の研究/第8章 古墳からみた5、6世紀の上野地域/第9章 古墳からみた6、7世紀の上野地域
群馬の遺跡(4)

著者:群馬県埋蔵文化財調査事業団
出版社:上毛新聞社
サイズ:単行本/177p
発行年月:2004年11月
税込 1,300 円

【目次】
第1章 古墳時代の群馬は元気だった―群馬古墳学入門/第2章 豪族居館の発見/第3章 埴輪と古墳と古墳時代/第4章 巨石横穴式石室と豪華な副葬品―綿貫観音山古墳とその被葬者/第5章 多田山の唐三彩が語る歴史/第6章 群馬における古墳研究の歩み―『発墳暦』から観音山古墳・三ツ寺1遺跡まで/学習へのいざない
群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社社
発売日:2005/01/01
サイズ/ページ:21cm/
定価:1,301 円

目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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