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うえはすむら205ごうこふん(ごんげんやま) / ごんげんやまこふんぐん
殖蓮村205号古墳(権現山) / 権現山古墳群
伊勢崎市指定史跡 権現山遺跡

※写真は全てクリックで拡大します※


権現山古墳群中の一基

群馬で一番低い山とされている「八寸(はちす)権現山」に築かれた直径20mほどの円墳で30基ほどで構成される権現山古墳群

『上毛古墳綜覧(1938)』には旧殖蓮(うえはす)村の項で、権現山周辺(権現山、権現北、権現西、権現前)に105基を数える古墳が 記載されていたという。
(「群馬県古墳総覧」で確認したところ107基。綜覧記載漏れ、権現山北古墳群、権現山南古墳群を含むと115基になる)

昭和初期の耕地整理や、その後の開墾により、ほとんどが破壊、削平され、現在では、権現山周辺は住宅地と化し、山の斜面の松林の中に10数基残るのみである。
 

発掘調査

1970年(昭和45年)、権現山の山裾を東から北へ回る市道の拡張工事により山側が2mほど掘削されたが、その際、3号墳の石室がブルドーザーに当たった為、掘削箇所にかかる4基の古墳(1号墳4号墳)の緊急調査が行われた。

いずれも『上毛古墳綜覧(1938)』には記載漏れの古墳のようである。


豊城入彦命の墳墓説

蓮神社が鎮座する権現山には豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)の墓という言い伝えがあり、これが豊城町(とよしろちょう)の名の由来になっているとのこと 。
豊城入彦命は、東国を平定し、上毛野氏や下毛野氏の祖となった)

総社二子山古墳前二子古墳など豊城入彦命の墳墓とされる古墳は群馬県内に複数存在する 。

権現山古墳群は小規模の円墳で構成されており、このうちの一つが豊城入彦命の墳墓とは考えにくい 。

武器類の出土が著しいことから武人の墳墓ではないかという説もある。
 



▲権現山古墳群1号墳4号墳(南から4号墳2号墳3号墳1号墳

古墳の番号は発掘調査が行われた順に振られたそうである。
(234号〜239号、205号は殖蓮村の古墳番号。位置は
資料を基に独自に推定した大まかなもので正確ではない)
 

▲南側から

発掘調査された4古墳の最も
南に位置する4号墳のすぐ南

左手は蓮神社参道の鳥居。

山裾に築かれた山寄せの
古墳のように見える。

 

別名、権現山?

資料が少なく定かではないが、権現山の南東、蓮(はちす)神社参道の鳥居の脇に、石碑が建てられている古墳らしき小山が、『上毛古墳綜覧』に記載の殖蓮村205号古墳(権現山)ではないかと推定した。

蓮神社は権現山の上に鎮座しているため、神社、さらに、入口にあるこの古墳のことも、『権現山』と呼ぶようになったのかもしれない。

『上毛古墳綜覧』では、規模が600尺(約182m)となっているが、円墳でこの大きさは巨大すぎるので、誤記、あるいは、権現山全体の大きさではないだろうか。
 



▲東側、市道から

このすぐ右手が4号墳
 


4号墳(北)側から

石碑が建てられ、周りを囲われ、
大事に祀られているようである。
 
所在地 群馬県伊勢崎市豊城町1987-2
(佐波郡殖蓮村大字八寸字権現山1988ノ2)
アクセス
駐車場

ポイントは2号墳
伊勢崎市の古墳地図
史跡指定 伊勢崎市指定史跡 「権現山遺跡」
1966年(昭和41年)4月12日指定
群馬県古墳総覧」では1号、2号墳のみ「市史跡」
別名 殖蓮村205号古墳『上毛古墳綜覧(1938)』
築造年代 6世紀後半
形状 円墳
埋葬施設  
出土品  
周辺施設  
調査暦   更新履歴

探検日(写真撮影日)  2019年04月22日
最新データ更新日  2019年09月26日

文献 『上毛古墳綜覧』 1938 群馬県
【参考文献】
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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