※写真は全てクリックで拡大します※

大室古墳群は、国指定史跡となっている4つの前方後円墳を中心に、20数基の古墳から成り、現在、大室公園内に6基が保存整備されている。

前二子古墳、中二子古墳、後二子古墳の３基の大方前方後円墳は、畿内でも大型の前方後円墳が造られなくなる6世紀初頭から後半にかけて相次いで築造された 。

この赤城山南麓にはこの古墳を取り巻くように1000基以上の古墳が存在したと言われているが、この３古墳に匹敵するほど大規模で、しかも隣接して３基並んでいるのは、群馬県でも他に例が なく、この古墳群を造営した豪族の威勢を思わせる。

【内堀遺跡群】

「大室公園｣として大々的に整備するにあたり、公園予定地内の埋蔵文化財が調査されたが、その総称を内堀遺跡群という。

便宜上、内堀遺跡、上縄引遺跡など別の名称をつけられてはいるが、3基の大型前方後円墳を中心とした一つの 大室古墳群を形成している。

古墳名についているＭは古墳（マウンドか？）の略称で内堀遺跡では6基数えられている。
他にH（住居跡）、C（周溝墓）、Ｚ(石槨墓)などの多数の遺構が確認されている。
　

【被葬者と上毛野氏】

この地は上毛野氏の本拠地で、古墳群は上毛野氏の墳墓ではないかと言われている。
（毛野氏とは東国を治めた第10代崇神天皇の長子・豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)の子孫で、後に上毛野氏、下毛野氏に分かれた ）

1878年（明治11年）、前二子古墳、後二子古墳の石室が開けられ、 それぞれ豊城入彦命、御諸別王の陵墓として申請されたが、 決定的な根拠に欠くとして、治定されなかった。
　

【内堀遺跡群 M-4号墳】

M-4号墳は、大室公園整備に伴い、最初に行われた昭和62年の調査時に確認された4古墳 （M-1号墳〜Ｍ-4号墳）のうちの一基。

1935年（昭和10年）の群馬県下の古墳の一斉調査では、記載漏れの古墳のようである。

石室は後二子古墳、小二子古墳と同じく半地下式で、無袖式横穴式石室だったようだが、石室の石は明治時代の石取りのために徹底的に抜き取られており、構造ははっきりせず、副葬品も検出されなかった。
　

石室は埋め戻され、開口部前に
埴輪群が復元されている。

・下段平坦面の南側の石室入口：
円筒埴輪

・石室入口の東側：
人物埴輪

・墳頂部：
器材埴輪