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うちぼりいせきぐん えむ6ごうふん(あらとむら65ごうこふん?) / おおむろこふんぐん
 内堀遺跡群 M-6号墳(荒砥村65号古墳?) / 大室古墳群
 

※写真は全てクリックで拡大します※


大室古墳群中の一基

大室古墳群は、国指定史跡となっている4つの前方後円墳を中心に、20数基の古墳から成り、現在、大室公園内に6基が保存整備されている。

前二子古墳中二子古墳後二子古墳の3基の大方前方後円墳は、畿内でも大型の前方後円墳が造られなくなる6世紀初頭から後半にかけて相次いで築造された 。

この赤城山南麓にはこの古墳を取り巻くように1000基以上の古墳が存在したと言われているが、この3古墳に匹敵するほど大規模で、しかも隣接して3基並んでいるのは、群馬県でも他に例が なく、この古墳群を造営した豪族の威勢を思わせる。

内堀遺跡群

「大室公園」として大々的に整備するにあたり、公園予定地内の埋蔵文化財が調査されたが、その総称を内堀遺跡群という。

便宜上、内堀遺跡、上縄引遺跡など別の名称をつけられてはいるが、3基の大型前方後円墳を中心とした一つの 大室古墳群を形成している。

古墳名についているMは古墳(マウンドか?)の略称で内堀遺跡では6基数えられている。
他にH(住居跡)、C(周溝墓)、Z(石槨墓)などの多数の遺構が確認されている。
 

被葬者と上毛野氏

この地は上毛野氏の本拠地で、古墳群は上毛野氏の墳墓ではないかと言われている。
(毛野氏とは東国を治めた第10代崇神天皇の長子・豊城入彦命(とよきいりひこのみこと)の子孫で、後に上毛野氏、下毛野氏に分かれた )

1878年(明治11年)、前二子古墳後二子古墳の石室が開けられ、 それぞれ豊城入彦命御諸別王の陵墓として申請されたが、 決定的な根拠に欠くとして、治定されなかった。
 

異説

関東の古墳&史跡探訪」さんでは、当方がM-6号墳とした古墳をM-2号墳(完存)とし、M-6号墳をその南側に所在する別の高まり(園路に横切られ半壊)と されている。

当方 関東の古墳さん
M-2(消滅)  
M-6(完存) M-2(完存)
  M-6(半壊)

しかし、発掘調査の記録や資料の位置関係や記述などと照らし合わせると、整合性がとれないように思える。

M-2号墳は発掘調査時には周囲の樹木は伐採された上に、盛土部分も残存していない状態(右の写真)だったので、はっきりとした墳丘が残り、樹木も生えたままのマウンドがM-2号墳とは思えない。

また、M-6号墳は墳丘の残存状況が良好で、園路は古墳範囲外を通ることが確認され たため、現状のまま保存されることになったとあるので、園路に横切られて半壊状態になっている高まりをM-6号墳とするのも疑問 が残る。

しかし、古墳前に標識などがなく、「関東の古墳&史跡探訪」さんが正しい可能性もあるので、参考として併記する。
 



▲東側(園路)から

古墳の東側に園路が造られるため、平成4年、範囲確認など最低限の調査のみ行われた結果、園路は古墳の範囲外
を通ることが確認され、当面現状保存されることになった。
 



大室古墳群分布図

M-2号墳は大室公園予定地内での昭和62年の調査時に確認された4古墳の一基。

北から順にM-1からM-4まで番号が振られ、その時点では北側のM-5(現状は駐車場・消滅)が確認されていなかったため、M-2とされた。

内堀遺跡群の調査は長期にわたり断続的に行われているが、初期の報告書(内堀遺跡群II)には、大室古墳群中の古墳として、北側駐車場のすぐ南西の区域(現在、M-2号墳M-6号墳の2基ある付近)にM-4号墳、荒砥村65号墳、栗林古墳の3基の記載がある。(下図)


▲「内堀遺跡群II」より

初期の報告書(内堀遺跡群II)

(8)M-4号墳   「綜覧記載漏れ」
(10)荒砥村65号墳
 「横穴式石室、埴輪列あり」
(12)栗林古墳   「綜覧記載漏れ」

現在

M-2号墳
  「竪穴式石室、綜覧記載漏れ」
M-6号墳
 「横穴式石室、埴輪列あり」

(8)のM-4号墳は(6)M-2号墳との番号の取り違えで、(8)=M-2号墳のようだ。

M-2号墳は埴輪は伴うが、竪穴式石室で「綜覧記載漏れ」 ということなので、綜覧記載の荒砥村65号墳とは考えられない。

とすると、位置的にも(10)の荒砥村65号墳=M-6号墳ということが考えられ、「横穴式石室を持ち、埴輪が配列されている」という記述とも矛盾はない。

(12)の栗林古墳は現在の報告書にはないようである。

ただし、荒砥村65号墳、栗林古墳についてその後の記述はなく、上記の推測が当たっているかは不明である。

群馬県古墳総覧』(2017)でも、荒砥村65号墳とM-6号墳は別々に記載されて おり、住所番地も微妙に違う。
(同一の古墳でも、別に記載されることや、住所の記載の誤り等も間々ある)

栗林古墳については記載がなく、未確認の古墳、あるいは自然の丘で古墳ではなかった可能性もある。
大室古墳群のページで言及する)


▲南東から

天井石が陥没したと思しき凹みが墳丘南側にあり、横穴式石室が推定されているが、主体部の発掘調査は行われていない
 


▲平成3、4年、発掘調査された
B-1区付近

B-1区内のM-2号墳が発掘調査され、そのすぐ南西のM-6号墳は調査区外であるが、東側に園路が通るため、範囲確認のみ行われた 。
 


M-6号墳墳丘現況図

墳丘の残存状態も良好で、きれいな等高線を描いているが、南西向きに崩れている部分があり、この部分が横穴式石室の天井石が崩落した跡ではないかと推定されている 。
 


▲北側から、奥がM-6号墳

園路は左手の高い場所を通る

手前(北側)の樹木がなく、平坦な部分が、発掘調査されたB-1区でM-2号墳もここに所在したと思われる 。
 

所在地 群馬県前橋市西大室町2150外 アクセス
駐車場

大室公園の北側駐車場のすぐ南
別名 荒砥第57号墳(上毛古墳綜覧)
内堀M-6号墳、内堀6号墳
史跡指定 なし
築造年代 6世紀中葉〜後半
形状 円墳
直径(周溝を含む):25m
埋葬施設 横穴式石室(推定)
出土遺物 周堀:埴輪(円筒、人物)、土師器
周辺施設 【周堀】あり
【埴輪列】あり
【葺石】不明
調査暦 (発掘)平成4.4.27〜平成4.11.30 更新履歴

探検日(写真撮影日)  2019年09月16日
最新データ更新日  2019年09月19日

文献 『大室古墳群 史跡前二子古墳・中二子古墳・後二子古墳ならびに小古墳 保存整備事業報告書』前橋市
『前橋市 大室古墳群』 前橋市教育委員会
東国大豪族の威勢・大室古墳群 群馬 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
『内堀遺跡群、II、III、V』 前橋市埋蔵文化財発掘調査団(
『前橋市史 第1、2巻』 1971 前橋市
『群馬県史 資料編3』 1981 群馬県
『上毛古墳綜覧』 1938 群馬県
群馬県古墳総覧』2017 群馬県
【参考文献】
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館
群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
東アジアに翔る上毛野の首長 綿貫観音山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」119)
古代上毛野をめぐる人びと
東国大豪族の威勢・大室古墳群 群馬 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
古代東国の王者―上毛野氏の研究

 


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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない
 

 

 



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