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          こばやしのてんじんこふん(てんじんやまこふん・にいさとむら1ごうこふん)
桐生市指定史跡 小林の天神古墳(天神山古墳・新里村1号古墳)
 

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小学校内に古墳

新里中央小学校内に保存されているが、北側の道路により北側が削り取られており、原型を留めていないが、南側に開口する横穴式石室は残存している

墳丘より出土した埴輪類のうち、家型埴輪は東京国立博物館に所蔵されている
 

古墳群としての詳細は不明

マッピングぐんまでは「小林01号墳」となっているが、小林地区は範囲が縦長に広く、この古墳はその北端に位置し、小林02号墳以降は少し離れた上毛線の南側に所在する 。

行政区でいえば小林だが、他の古墳と共に小林古墳群を形成しているというよりは、すぐ東側に展開されている武井古墳群近しい存在ではないかと思われる

ちなみに、昭和10年の県下古墳一斉調査では「新里村1号古墳」とされており、新里村2号古墳から8号古墳は武井古墳群である

武井古墳群の中心的な存在の武井廃寺塔跡中塚古墳は7世紀後半のもので、この周辺で権力を持っていた新川臣の墳墓と考えられていることから、この古墳も両古墳に先行する
時期の新川臣に属する人物の墳墓と推測することもできる。


▲武井古墳群分布図
群馬県古墳総覧を参考に作成


古墳名について

かつて墳丘上に天神様がまつられていたことから、「天神古墳」「天神山古墳」と呼ばれている(現在も墳丘上に小さな石祠があるが、天神様かどうかは不明)

群馬県古墳総覧では「天神古墳」、桐生市では「小林の天神古墳」の名称で史跡に登録されている

天神古墳、天神山古墳という名の古墳は多いので、区別するために「小林」をつけるのだと思われるが、「の」を省略して、「小林天神古墳」
とすることもある




▲南側から

小学校の駐車場のすぐ前にある


▲南向きに開口する横穴式石室

周りにはロープが巡らされている
 

▲玄室と思われる

崩落防止で半分埋めてあるのか?
 

▲左の側壁

右側は崩れてしまっている

▲墳頂から北側
 

▲北側から

▲古墳前に展示されている
「家型埴輪」(レプリカ)
 

▲現地解説板
桐生市教育委員会による

▲東側から

墳丘の北側、フェンスの右側は
道路で削られている
 

▲墳丘上の小さな石祠

かつては天神様がまつられていた
とのことだが、これは何かは不明
 
所在地 群馬県桐生市新里町小林60−1
桐生市新里町小林字天神前70 『群馬県古墳総覧
 (旧勢多郡新里村)
アクセス
駐車場

桐生市立新里中央小学校内 
桐生市(旧新里村)の古墳地図
別名 『群馬県遺跡台帳』 2350 天神山古墳
群馬県古墳総覧』 天神古墳
『上毛古墳綜覧』 新里村1号古墳
史跡指定 桐生市指定史跡 『小林の天神古墳』
1971年(昭和46年)10月1日指定
築造年代 6世紀後半
形状 円墳(2段築造)
直径:約40m
埋葬施設 袖無型横穴式石室
玄室長:3.6m
羨道長:2.8m  羨道幅:2.13m
出土品 墳丘:埴輪(円筒、人物、器財、家)
埋葬施設:須恵器、刀、武器、玉、耳環
周辺施設 埴輪列、周溝あり、葺石なし
発掘 (発掘)昭和33.3.20〜昭和33.3.25昭和57.2.7〜昭和57.2.14  

探検日(写真撮影日)  2019年03月15日
最新データ更新日  2019年07月02日

【参考文献】
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館
群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
東アジアに翔る上毛野の首長 綿貫観音山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」119)
スソアキコのひとり古墳部 (コミックエッセイの森)
東国大豪族の威勢・大室古墳群 群馬 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
関東古墳探訪ベストガイド
関東・甲信越古代遺跡ガイド
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【目次】
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【目次】
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群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社
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定価:1,301 円

目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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