古墳の森TOP群馬県の古墳利根郡昭和村の古墳


      ごれいきょうしゅつどこふん(くろほむら3ごうこふん) / もりしたまつぎこふんぐん
重要史跡 五鈴鏡出土古墳(久呂保村3号古墳) /森下松木古墳群

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森下古墳群

森下と川額(かわはけ)にまたがる一帯に分布する四十数基からなる円墳群。

御門塚前の解説板によると、昭和12年の調査で森下地区一帯(一部川額地区)に47基、確認されているとのことである。

群馬県古墳総覧〈2017〉」には、この地区に多数の古墳の記載があり、何処から何処までが構成古墳なのかは良く分からない。

「川額軍原(かわはけいくさばら)古墳群」「森下松木古墳群」とされている古墳も混在しているが、森下古墳群と同一 (別称)か、構成するものと思われる。

久呂保村3号は「群馬県古墳総覧」では「県台帳3343 八日市古墳群」と記載されているが、3343は「森下松木古墳群」、3342が「八日市古墳群」で、誤記の可能性があり、ここでは「森下松木古墳群」とする。

ちなみに、「八日市(よけいち)古墳群」は旧糸之瀬村で、北東に所在する。
 

五鈴鏡出土の2つの古墳

明治35年(「群馬県古墳総覧〈2017〉」では36年)、発掘され、五鈴鏡が出土し、その重要性から東京国立博物館に収蔵された。

また、平成5年(1993)になって、南西130mに所在する鍛屋地2号古墳(久呂保村10号古墳)からも五鈴鏡が出土した。

調査報告書を入手できなかったので詳細は不明だが、これだけの近距離から出土していることから、同じ場所、鋳型で造られた可能性が高いのではないか。

この久呂保村3号が発掘されたのは明治年間で、その後、きちんとした学術調査も行われておらず、この二つの古墳の共通性や関係性は分からないが、極めて近しい関係にあったのではないかと推測される。
 



▲西側から

わずかに墳丘らしき跡があり
ひっそりと看板が建つのみ

すぐ南側の農地には、久呂保村
5号古墳らしき跡が見受けられる



▲古墳前の解説板

1935年(昭和10年)、群馬県で
県下一斉古墳調査が行われた
時には、旧久呂保村で3番の
番号(久呂保村3号古墳)が
振られているが、他に固有の
名称もなかったのか、五鈴鏡の
インパクトが強いためか、古墳
前には「五鈴鏡出土古墳」の
名称で碑と看板が建っている

「重要史跡」となっているが
どういうものか分からなかった

マッピングぐんまでは、村史跡
となっているが、昭和村HPでは
史跡指定が確認できなかった
 


▲碑と解説板の下の石

古墳由来のものか、後世、
土留めとして積み上げたものか
 

五鈴鏡


▲東京国立博物館蔵「五鈴鏡」

群馬県利根郡昭和村大字森下出土

5、6世紀代、白銅製、径:9.6cm

解説板によると、豪族が宝物として保持し、埋葬の際に棺の中にいれ、魂が失せるのを防いだとも言われているとのことである。

鈴鏡……周縁に鈴がついた銅鏡。
鈴の数は4〜10コ。

埴輪の巫女が腰につけていたところから、祭祀などで使われた呪具であったと考えられている。

北関東に多いということである。
 

史跡指定 不明 村史跡? アクセス
駐車場
 
所在地 群馬県利根郡昭和村大字森下84-1
(利根郡久呂保村大字森下字化粧坂84ノ1)
別名 「上毛古墳綜覧」久呂保村3号古墳
築造年代  
形状 円墳
埋葬施設 袖無型横穴式石室
出土品 五鈴、鏡、直刀、曲玉
周辺施設  
調査暦 明治36年
文献 『上毛古墳綜覧』 1938 群馬県 更新履歴

探検日(写真撮影日)  2019年09月16日
最新データ更新日  2019年10月08日

【参考文献】
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
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関東・甲信越古代遺跡ガイド
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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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