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昭和村指定史跡 鏡石古墳 / 岩下清水古墳群

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岩下清水古墳群

古墳時代後期(6世紀〜7世紀代)に造られた、直系5m〜10mの群集墳。

現地解説板によると、「1935年(昭和10年)の調査 で21基」の古墳が確認されているとあるが、昭和村のHPでは、「1938年(昭和13年)の調査で17基」とある。

ちなみに群馬県で県下一斉古墳調査が行われたのは1935年(昭和10年)で、その成果である『上毛古墳綜覧』を刊行したのが1938年(昭和13年)であるので、同じ調査のことを差していると思われるが、古墳数については現在確認がとれていない。

群馬県古墳総覧〈2017〉」には、岩下清水古墳群に含まれると思われる古墳は17基記載されており、そのうち、村史跡と なっているのは13基。
(詳細は岩下清水古墳群にて)



無名9号墳(推定)前の
岩下清水古墳群の解説板

1974年(昭和49年)、この南方300mで、県道改修工事の際、発掘された同型の古墳というのは、この鏡石古墳のこと思われる。
 



▲東側の県道から
 

埋め戻し、保存された古墳

県道拡張工事の際に発見され、1974年(昭和49年)、発掘調査が行われた。

この古墳は、日本のポンペイとも言われる子持村の黒井峯遺跡の村や中ノ峯古墳を埋めた6世紀後半の榛名山の噴火により、降り注いだ 軽石に埋もれていたようで、良好な状態で残っていたようである。

調査後は、保存の為、この県道の下に埋め戻され、碑と解説板が建つのみである。
 

石だけで構築された積み石塚

前橋市の総社古墳群王山古墳のように、最初、基壇を盛り土で造った上に石を積んだのではなく、石のみで二段に構築され、上段に家型埴輪、下段平坦面に円筒埴輪が巡らされていた。
 

竪穴式石室

墳丘上段の中央に、大人一人が横になれる広さの小さな竪穴式石室が造られ、人骨一体分が埋葬されていたことが確認されている。


▲現地解説板
 

▲北側から

看板の後ろに茂みの中には
墳丘らしきものは見当たらない
 

▲墳丘図

アバウトな図で、詳細は分から
ないが、二段築成のようである
 
史跡指定 昭和村指定史跡 「岩下清水古墳群」
  1979年(昭和54年)3月22日指定
アクセス
駐車場
 
所在地 群馬県利根郡昭和村大字川額字鏡石
別名 『上毛古墳綜覧(1938)』記載なし
築造年代 6世紀中葉
形状 円墳
直径:7.0〜7.2m
埋葬施設 竪穴系(小石室)
出土品 墳丘:埴輪(円筒、家)、土師器
埋葬施設:人骨(1体分)
周辺施設 埴輪列
調査暦 (発掘)昭和49.9.2昭和49.9.17
文献 『鏡石古墳発掘調査報告』 1974 群馬県教育委員会 更新履歴

探検日(写真撮影日)  2019年09月16日
最新データ更新日  2019年10月03日

【参考文献】
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
東アジアに翔る上毛野の首長 綿貫観音山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」119)
スソアキコのひとり古墳部 (コミックエッセイの森)
東国大豪族の威勢・大室古墳群 群馬 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
関東古墳探訪ベストガイド
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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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