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         ふどうやまこふん / わたぬきこふんぐん
高崎市指定史跡 不動山古墳 / 綿貫古墳群
 

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綿貫古墳群中の一基

岩鼻町〜綿貫町にかけて、5世紀中頃から6世紀後半の間に、計画的に築造された大型の前方後円墳4基と周囲の円墳群から成る綿貫古墳群中の一基。

主墳とされる前方後円墳4基のうちでは、2番目に造営されたと考えられる。
 

設計企画の同一性

不動山古墳の設計企画を復元すると、墳丘部分の平面構成が太田天神山古墳【太田市】の同一であり、天神山古墳の主要部位のスケールを約6m(晋尺で25尺)引き、2分の1に縮小したものと一致するとされる

またこの設計企画は、お富士山古墳【伊勢崎市】と2:3、保渡田八幡塚古墳【群馬町】と1:1、の比率で相似形であることが指摘されている

これらの古墳が同一の設計企画に基づいて築造された可能性が高いことが考えられる
 


▲現地解説板にある
不動山古墳実測図

北側のくびれ部に方形台状をなし、下段墳丘に付設する造出がある

土師器坩、壷の破片が出土しており、祭祀的様相の強い特別な施設であったことが推定される



▲現地解説板
高崎市教育委員会による



▲「不動山古墳と綿貫古墳群」 



▲やや西(前方部)から

後円部は比較的墳丘が残る
 


▲後円部から前方部

土砂採取のため大半は失われた

▲『上州綿貫不動尊』の看板

『高崎市指定史跡不動山古墳
舟形石棺』と書かれている
 

▲後円部墳頂部に建つ不動尊堂

この裏に舟形石棺が
保存されている
 

▲二段築成の後円部中段の葺石

▲二段築成の後円部中段の葺石
 

▲刳貫式の舟形石棺
 

▲身部だけで、蓋部が所在不明

▲両端に存在する縄掛突起

▲高崎市史跡
「舟形石棺 縄掛突起付」とある
 


 

▲不動山古墳史跡指定記念の碑
 
史跡指定 高崎市指定史跡 (1992年)平成4年3月2日指定 別名 岩鼻村15号墳 上毛古墳綜覧〈1938〉
築造年代 5世紀後半 所在地 群馬県高崎市綿貫町金堀1272-3、1271-1外
所有者:普賢寺
形状 前方後円墳 2段築造 主軸:東西方向
全長:94m 
後円部径:57m 後円部高さ:9.8m
前方部幅:54m 前方部高さ:9.8m
くびれ部幅:36.50m
アクセス
駐車場

▲墳頂に上州綿貫不動尊
埋葬施設

竪穴系(舟形石棺)
全長:3.4m 幅:身上縁:1.4m、底部:1.25m
両端に1対の繩掛け突起

出土品 周堀:埴輪(円筒)、須恵器
墳丘:土師器、農具、鉄片
造出:土師器坩、壷の破片
周辺施設 【葺石】墳丘傾斜面、造出の側面
【周堀】盾型。北側に顕著に残る
【埴輪列】2段築造の中段平坦面、造出縁辺部
【造出】北側のくびれ部に方形台状
発掘 (発掘)昭和38.10.1〜昭和38.10.10、昭和38.11.25〜昭和38.12.1、昭和39.3.1〜昭和39.3.7、昭和40.3.3〜昭和40.3.8(測量)昭和54.3.12〜昭和54.3.17(分布)平成10.4.8
参考資料 『新編 高崎市史 資料編1』 1999 高崎市教育委員会、『群馬県史 資料編3』 1981 群馬県  

探検日(写真撮影日)  2002年04月28日
第二回探検日(写真撮影日)  2017年05月07日
最新データ更新日  2019年01月01日

旧写真  (撮影日 2002年04月28日)



【参考文献】
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

群馬の遺跡〈4〉古墳時代1―古墳
東アジアに翔る上毛野の首長 綿貫観音山古墳 (シリーズ「遺跡を学ぶ」119)
スソアキコのひとり古墳部 (コミックエッセイの森)
東国大豪族の威勢・大室古墳群 群馬 (シリーズ「遺跡を学ぶ」)
関東古墳探訪ベストガイド
関東・甲信越古代遺跡ガイド
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【目次】
第1章 古墳時代の群馬は元気だった―群馬古墳学入門/第2章 豪族居館の発見/第3章 埴輪と古墳と古墳時代/第4章 巨石横穴式石室と豪華な副葬品―綿貫観音山古墳とその被葬者/第5章 多田山の唐三彩が語る歴史/第6章 群馬における古墳研究の歩み―『発墳暦』から観音山古墳・三ツ寺1遺跡まで/学習へのいざない
群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社
発売日:2005/01/01
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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

 

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