【山名古墳群中の一基
(北群)】山名古墳群は高崎市街地の南南東約6.5kmに位置する伊勢塚及び原口を中心に
分布している古墳時代後期から終末期の群集墳。
烏川両岸に築いたヤマト王権の直轄地「佐野三家(屯倉)」の創設に関わり、山名地域を発展させた集団の墓所と見られている。
現在、指定地域には18基の古墳が保存されている。
1989年(平成元年)の発掘調査で発見(上毛古墳綜覧に記載無し)。
【美しい模様積みの石室】
側壁は大きめの自然石と棒状の自然石を模様積みになっている。
模様積みとは珪岩質の転石を中心に片岩製の棒状の石を配する独特な石積み技法で、藤岡市域から埼玉県児玉郡周辺に見られ、群馬県で17基確認されている。
鏑川を挟んで1kmほど南側の白石古墳群の伊勢塚古墳にも同様の
模様積みの石室が見られるが、ドーム状に積み上げられ、完成度も非常に高く、墳丘と共に残存状態も極めて良く、日本一美しい横穴式石室と言っても過言ではないものである。
▲現地解説板
『山名原口II号古墳』とあるが「群馬県古墳総覧〈2017〉」には山名原口遺跡にはIとIIがあり、それぞれ1号墳と2号墳があるので解説板の表記では、分かりにくい
・山名原口I遺跡 1号古墳
・山名原口I遺跡 2号古墳
・山名原口II遺跡 1号古墳
・山名原口II遺跡 2号古墳(本墳)
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▲北側億の覆い屋
現在、墳丘はなく、石室のみが
露出しており、覆屋で覆われ、
保存されている |
▲南西向きに開口する横穴式石室
古墳群中の横穴式石室は、
発掘調査後、埋め戻されており、
唯一、石室が鑑賞できる
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