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けんざきながとろこふん / やわたこふんぐん
剣崎長瀞西古墳 / 八幡古墳群
 

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八幡古墳群・剣崎地区】

八幡古墳群は烏(からす)川と碓氷(うすい)川に挟まれた八幡台地の中でも、 剣崎町(剣崎支台)、八幡町(八幡支台)中心に分布する。

北に位置するこの剣崎町(剣崎支台)にも100基を超す古墳が存在していたというが、開発等により、この剣崎長瀞西古墳ほか、西部小学校周辺に数基が残存するのみである。

剣崎天神山古墳や剣崎長瀞西遺跡などが知られていたが、いずれも消滅し、出土品のみが群馬県の重要文化財に指定されている。
 

剣崎長瀞西古墳

八幡大地の北端に位置するが、周囲の小円墳群の中で、特異な存在である。

名前が紛らわしいが、近年、浄水場建設に伴い、この東側で確認された集落・古墳の複合遺跡の剣崎長瀞西遺跡とは別に考える。

1931年(昭和7年)、開墾により鏡や短甲、石造模造品など良好な遺物が出土し、帝室博物館(現東京国立博物館)に所蔵されている。(右:現地解説版 4/4参照)

かねてより円墳とされていたが、2段に造られた墳丘の基壇のテラス部分が広くなっており、帆立貝式(前方後円墳の前方部が未発達で短小なものではなく、円丘に基壇をつけたタイプのもの)である可能性も言われている。

かつては5世紀前半の築造と考えられていたが、その後の調査や出土遺物から、剣崎天神山古墳に続く5世紀後半の築造と推定される。

南の八幡地区の平塚古墳と同時期の築造になる。
平塚古墳を頂点とした八幡古墳群中の5世紀後半に築造された古墳の身分構造については、剣崎長瀞西遺跡で言及)

南接する西部小学校付近には支群の大島原古墳群など小円墳群が所在し、小学校南側の公園には大島原G号古墳が保存されている。


2基の主体部

墳頂部と南側テラス部分に一基ずつ、竪穴系の埋葬施設が発見されている。

墳頂部の主体部はほとんど壊されており(昭和7年の開墾時?)、規模・形状等は不明であるが、テラス部分の小石槨はほとんど未盗掘の状態で発見された。

その構造は、東側の剣崎長瀞西遺跡で発見された積石塚(渡来人の墓)と共通するものである。

平塚古墳の主の支配下にあった剣崎地区の小勢力の長の墳墓であったのかもしれない。
剣崎長瀞西遺跡・参照)
 



▲南東側から

南側と西側の一部が道路により削られている。
この東側(写真右の手前)は剣崎長瀞西遺跡
 


▲南側基壇テラス部分

竪穴系の石槨が発見されたが
現在は埋め戻されている
 

▲西側裾部から周溝部分

墳丘上は草が生い茂っており、
現状、2段がよく分からない。

▲現地解説版 1/4
 

▲現地解説版 2/4
 

▲現地解説版 3/4
 

▲現地解説版 4/4
 

▲周辺遺跡、古墳の分布図

各種資料を基に独自に作成
(563、564古墳名称は推定)
 


古墳の別名

綜覧番号「八幡村24号」の他に、「おそね塚」という別名もあるようだ。

由来は定かではないが、「曽根(そね)」には、河川沿いの微高地(自然堤防)などの意味もあるようで、また、古語では「(そね)」=川によって運ばれた砂礫の多いやせた荒地を意味するそうで、この場所もそういったことからつけられたのかもしれない。
 

所在地 群馬県高崎市剣崎町1365-1 アクセス
駐車場
 
別名 おそね塚古墳
碓氷郡八幡村24号古墳 上毛古墳綜覧〈1938〉
築造年代 5世紀後半
形状 円墳または帆立貝式
全長:35.5m 主丘部径:30m
高さ:5m(現状)
埋葬施設

竪穴系石槨×2基

出土遺物 墳丘:埴輪(家、円筒)、須恵器
埋葬施設:武器、石製模造品、捩文鏡、短甲、石突、矛
周辺施設 葺石あり
周堀幅:2.5〜3m
発掘 (発掘)平成8.4.30〜平成11.3.2
参考資料 『上野国碓氷郡八幡村大字剣崎長瀞西古墳』 1937 帝室博物館、
『剣崎長瀞西遺跡1』 2001 高崎市教育委員会
更新履歴

探検日(写真撮影日)  2002年00月00日
第二回探検日(写真撮影日)  2020年04月25日
最新データ更新日  2020年05月29日

【参考文献】
□高崎市文化財報告書第404集「若田坂上遺跡2」 市道C-1001号歩道橋整備に伴う埋蔵文化財発掘調査 2018
□高崎市文化財報告書第412集「剣崎東村遺跡」宅地分譲工事に伴う埋蔵文化財発掘調査 2019
□「群馬県史 資料編3」
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□群馬県遺跡台帳II 西毛編 群馬県文化財保護協会
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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