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けんざきながとろいせき / やわたこふんぐん
剣崎長瀞西遺跡 / 八幡古墳群
 

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八幡古墳群・剣崎地区】

八幡古墳群は烏(からす)川と碓氷(うすい)川に挟まれた八幡台地の中でも、 剣崎町(剣崎支台)、八幡町(八幡支台)中心に分布する。

北に位置するこの剣崎町(剣崎支台)にも100基を超す古墳が存在していたというが、開発等により、剣崎長瀞西古墳ほか、西部小学校周辺に数基が残存するのみである。

剣崎天神山古墳や剣崎長瀞西遺跡などが知られていたが、いずれも消滅し、出土品のみが群馬県の重要文化財に指定されている。


剣崎長瀞西遺跡

剣崎長瀞西古墳の東側の浄水場の建設に伴う発掘調査により確認された弥生時代から7世紀までの複合遺跡。

5世紀後半と7世紀代の群衆墳と各時代の住居群などが多数確認されている。

群馬県古墳総覧〈2017〉」には剣崎長瀞西遺跡1号〜35号、100号墳の36基の記載がある。

東日本で初めて見つかった金製の垂飾付耳飾(すいしょくつきみみかざり)や日本最古級の馬具の鉄製轡(くつわ)を装着したまま埋葬された馬の骨、当時の倭国(日本)で使われていなかった韓式系土器などの遺物が多数発見され ており、また、積石塚の形式などから渡来系の集落と推定されている。


▲県重文の垂飾付耳飾や轡
 



▲西(剣崎長瀞西古墳)側から

周辺一帯は空地か浄水場敷地と
なっており、周囲の古墳は削平
または埋め戻されたようである。



▲石積み

群馬県古墳総覧」では19号墳のように見えたが、下の詳細な分布図を確認すると、この位置(I区の南端)には古墳がないので、周囲の古墳から出た石室材等の集積と思われる。
 


▲剣崎長瀞西遺跡の分布図
I区〜III区に分かれる
 

八幡古墳群中の5世紀後半に
築造された古墳の身分構造

南の八幡地区の巨大前方後円墳・
平塚古墳と、すぐ西の剣崎長瀞西古墳、この剣崎長瀞遺跡の古墳群の5世紀後半に造られた古墳の身分を推定したピラミッド。

平塚古墳

剣崎長瀞西古墳

剣崎長瀞西遺跡
「円墳、封土墳」

剣崎長瀞西遺跡
「方墳、積石塚」


▲左図のI区の古墳分布図

上の写真は遺跡範囲の南端付近
 
ページ内の図は専修大学古代東ユーラシア研究センター年報 第4号
「古墳時代の渡来人」を参照
 
文化財指定 群馬県指定重要文化財『剣崎長瀞西遺跡出土品』 2017年(平成29年)3月10日指定
 高崎市観音塚考古資料館所蔵
アクセス
駐車場
 
所在地

群馬県高崎市剣崎町

築造年代

5世紀後半 〜 7世紀代

形状 5世紀後半の方墳4基、積石塚5基、円墳8基、小石槨2基
7世紀代の円墳17基
埋葬施設 竪穴系石槨、横穴式石室等
出土遺物 土器、武具、装身具など(群馬県指定重要文化財
周辺施設  
発掘

(発掘)平成8.4.3〜平成11.3.2

参考資料 『剣崎長瀞西遺跡1』 2001 高崎市教育委員会
『剣崎長瀞西遺跡2』 2004 高崎市教育委員会
 

探検日(写真撮影日)  2002年00月00日
第二回探検日(写真撮影日)  2020年04月25日
最新データ更新日  2020年05月28日

【参考文献】
□高崎市文化財報告書第404集「若田坂上遺跡2」 市道C-1001号歩道橋整備に伴う埋蔵文化財発掘調査 2018
□高崎市文化財報告書第412集「剣崎東村遺跡」宅地分譲工事に伴う埋蔵文化財発掘調査 2019
□群馬県遺跡台帳II 西毛編 群馬県文化財保護協会
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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