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大島原古墳群G号墳 / 八幡古墳群
 

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八幡古墳群・剣崎地区】

八幡古墳群は烏(からす)川と碓氷(うすい)川に挟まれた八幡台地の中でも、 剣崎町(剣崎支台)、八幡町(八幡支台)中心に分布する。

北に位置するこの剣崎町(剣崎支台)にも100基を超す古墳が存在していたというが、開発等により、剣崎長瀞西古墳ほか、西部小学校周辺に数基が残存するのみである。

剣崎天神山古墳や剣崎長瀞西遺跡などが知られていたが、いずれも消滅し、出土品のみが群馬県の重要文化財に指定されている。

大島原古墳群

大島原遺跡は剣崎長瀞西古墳のすぐ南側で、西部小学校付近の、かつての字大島原に存在した縄文時代中期〜古墳時代の複合遺跡。

北東側に近接する剣崎長瀞西遺跡と同一のグループと考えられる。

「群馬県史」の大島原A号古墳(宅地造成のため消滅)の項によると、20基ほど現存しており、かつては周辺に40〜50基ほどの小円墳が群在していたと推定されると書かれている。

高崎市の資料によると大島原遺跡の古墳数7基となっており、「群馬県古墳総覧〈2017〉」には大島原A号〜大島原G号古墳までの7基の記載がある。

その他、大島原には、八幡町大島原1400所在古墳と大島原古墳(県台帳記載・大島原1403所在)の2基の記載がある。

また、道路を挟んだ西側の旧字大塚南地区にも大塚南564、565所在古墳大塚南563所在古墳など複数の半壊の古墳が残存しており、剣崎長瀞西遺跡と共に同一のグループを形成していたのかもしれない。
(右の周辺遺跡、古墳の分布図参照)



▲東側から

左(南)側が斜面の山寄せで、
墳丘が分かりにくくなっている

大島原G号古墳

大島原古墳群は剣崎支台の南側の斜面上に築かれた小古墳群で、八幡古墳群を構成する一群と思われる。

他の古墳は小学校、宅地造成などにより消滅したが、南端に所在するG号古墳のみ、西部小学校の南側の公園内、入り口から遊歩道をまっすぐ西に入った南斜面に保存されている。

天井石等は既に失われていたようで、石室の下部のみとなっている。



▲東側から

崩落や転落事故防止のためか
鉄柵で囲われた横穴式石室


▲南側から横穴式石室

時期的に草木が茂っており、
石組が分からなくなっている
 

▲石室の右壁

かろうじて乱石積みが見える

▲周辺遺跡、古墳の分布図

各種資料を基に独自に作成
(563、564古墳名称は推定)

別名 上毛古墳綜覧〈1938〉  記載漏れ アクセス
駐車場
所在地

群馬県高崎市八幡町大島原1414他

築造年代

7世紀代?

形状 円墳
径:12m
埋葬施設 両袖型横穴式石室
出土遺物 埋葬施設:武器
前庭:須恵器
周辺施設  
発掘

(発掘)昭和51.2.1〜昭和51.4.30

参考資料 田島桂男 「大島原古墳群」
『日本考古学年報』28 1977 日本考古学協会
『新編 高崎市史 資料編1』 1999 高崎市
 

探検日(写真撮影日)  2002年00月00日
第二回探検日(写真撮影日)  2020年04月25日
最新データ更新日  2020年05月29日

【参考文献】
□高崎市文化財報告書第404集「若田坂上遺跡2」 市道C-1001号歩道橋整備に伴う埋蔵文化財発掘調査 2018
□高崎市文化財報告書第412集「剣崎東村遺跡」宅地分譲工事に伴う埋蔵文化財発掘調査 2019
□「群馬県史 資料編3」
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□群馬県遺跡台帳II 西毛編 群馬県文化財保護協会
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

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目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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