【飯塚・招木古墳群】
荒川左岸の寺尾の河岸段丘上、南北1,300m、東西300mにわたり展開されている秩父地方最大の群集墳で、大型円墳を小型円墳が取り巻くようにして構成されているが、方墳が存在する可能性も指摘されている。
2020年現在の秩父市のHPでは129基となっている。
埴輪を伴っておらず、副葬品も乏しいことから、埴輪が消滅した後、副葬品を埋葬する風が衰退した、7世紀後半から8世紀前半にかけて郷戸主(※)層が築造した古墳群と考えられている。
【墳頂の盗掘跡に氏神様を祀る】
飯塚・招木古墳群は大きく飯塚、招木地区に分かれており、53号墳は
飯塚地区でも南端の民家のすぐ北側に所在し、古墳群中では中規模の円墳である。
古墳群中、大部分の古墳で、墳頂に盗掘跡の落ち込みが見られ、その盗掘跡の墳頂に神祠を祀る例が5例確認されてるが、この53号墳もその一つである。
封土の方法は、河原石を使用して、石垣状に築き、その上に逐次土盛りをして、その後墳丘を保護の目的で葺石を置いたものと考えられているようである。
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▲南側から
墳頂に祀られている氏神様。
西側の47号墳にも同様の
小さな石祠が祀られている
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▲南側から台石には、石室材が利用されているのか、側壁に積み上げられていたような平石が祠の下に積まれている。
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