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【飯塚・招木古墳群】

荒川左岸の寺尾の河岸段丘上、南北1,300m、東西300mにわたり展開されている秩父地方最大の群集墳で、大型円墳を小型円墳が取り巻くようにして構成されているが、方墳が存在する可能性も指摘されている。

2020年現在の秩父市のHPでは129基となっている。

埴輪を伴っておらず、副葬品も乏しいことから、埴輪が消滅した後、副葬品を埋葬する風が衰退した、7世紀後半から8世紀前半にかけて郷戸主（※）層が築造した古墳群と考えられている。

【道路に削られている小円墳】

飯塚・招木古墳群は大きく飯塚、招木地区に分かれており、79号墳は北東側の招木地区に所在する小円墳。

1973年（昭和48年）に行われた古墳群の分布調査時に確認された時には南北を通る道路により西側を削られた状態だった。

1977年（昭和52年）、すぐ東側の和銅大橋の架設による秩父市道38号線（現、秩父市道幹線8号、通称「招木古墳通り 」）の新設に伴い、発掘調査された。

ただし、調査されたのは道路にかかる玄門と羨道の一部のみで、北側の主体部は調査区域外だったため、調査後に削平されたのは玄門より南側のみだったようである。
　

南側と西側を道路で削られているが、わずかな墳丘が残っている。

南側を通る「招木古墳通り」の敷設時には、道路にかかる南側がかなり削られたようだが、主体部のある北側はかろうじて残存したようだ。
　

「招木古墳通り」の敷設時にに削平され、道路の南東側に移築復元された89号墳はこのすぐ南東に所在した。

調査では、その89号墳と同様、玄門から河原石を用いて主体部を取り囲むように周列石が構築されていたことが確認されている。

その周列石、あるいは玄門の閉塞のために堅く積み上げられていたという人頭大の河原石と思われる石が残存部の西側と南側に見受けられる。