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             つるがづかこふん(いなりづか)
埼玉県選定重要遺跡
鶴ヶ塚古墳(稲荷塚)

※写真は全てクリックで拡大します※


鶴ヶ塚古墳

加須低地のほぼ中央、東北自動車道の東側に、現況、単独で所在しており、かつて周囲にも古墳があったようだが、古墳群としての情報はな く、詳細は不明である。

東北自動車道を挟んで、下谷古墳群が所在したが、関係性は不明である。

墳丘は平に削られており、一見して古墳には見えないが、墳丘から靫型埴輪(※)の下半分が出土したため、古墳と認定されている。

現状はかなり改変されており、円墳、方墳のようだが、かつては前方後円墳だったのではないかと考えられている。

墳丘には天照皇大神宮が鎮座し、稲荷社、浅間社が合祀されている。

戦前、北に「浅間塚」が接しており、戦後にその上にあった浅間社がこちらに移されたのだというが、「浅間塚」も古墳だったのか。

古墳であり、近接していたなら、前方後円墳の失われた、前方部または後円部だった可能性もあるかもしれない。
 

古墳の名称について

この付近は江戸時代に開墾され、「町屋新田」と称するようになったようだが、それ以前は水禽の群生地であり、「鶴塚」と呼ばれていたようだ。

「鶴塚の大松」「鶴ヶ塚古墳」の由来はそのためのようで、「鶴塚の大松」の解説板ではこの古墳を「鶴塚」としているが、地元では、墳丘上の稲荷社にちなんで、「稲荷塚」と呼ばれていたようである。
 



▲東側から
 


▲「鶴ヶ丘古墳と大松」の解説板
加須市による
 

▲東側の階段

墳頂はかなり低く、平坦
 

▲「鶴塚の大松」の解説板
加須市教育委員会による

かつては「鶴塚の大松」と呼ばれる、樹齢300年以上の大松がそびえていた。

古い時代の航空写真でも確認できるほど立派な物だったが、枯れてしまい、昭和56年に伐採された。

こちらの解説板では「鶴塚は円墳」としている。


▲天照皇大神宮
(てんしょうこうたいじんぐう)

ご祭神は 天照大神
 


十九夜塔

古墳の道路を挟んで東側には、月待塔(つきまちとう)の一つ、十九夜塔がある。

月待塔とは日本の民間信仰の信仰で、特定の月齢の夜に集まり、月待行事を行った講中で、供養の記念として造立した塔である。

室町時代から始まり、江戸時代に流行し、「十五夜塔」「二十三夜塔」が特に普及していた。

旧暦19日の月待の記念として、十九夜講中によって造立された十九夜塔は、ほとんどは女人講で安産などを祈願したそうである。
 



▲古墳東側の十九夜塔


▲十九夜塔の解説板

古墳の上に建てられることもあり、蛇穴山古墳/総社古墳群【群馬県前橋市】には二十二夜塔がある。
 

所在地 埼玉県加須市町屋新田633 アクセス
駐車場

駐車場なし 
別名 稲荷塚、鶴塚
史跡指定 埼玉県選定重要遺跡
 1976年(昭和51年)10月1日指定
築造年代  
形状 前方後円墳か?
円墳 径:15m 高さ3m
埋葬施設  
出土遺物 靫型埴輪
※靫(ゆき)とは矢を入れて携行した武具の一種
更新履歴

探検日(写真撮影日) 2019年12月15日
最新データ更新日 2019年12月28日

調査暦  
文献 埼玉県古墳詳細分布調査報告書
さいたま古墳めぐり古代ロマンの70基(さきたま双書)
埼玉の古墳 北足立・入間
埼玉県の歴史 (県史)



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