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えーひゃくななじゅうにごういせき はすぬまのおおつか
A-172号遺跡 蓮沼の大塚 (消滅)

※写真は全てクリックで拡大します※


蓮沼の大塚山

さいたま市(旧大宮市)の東に所在する塚。

「さいたま市の塚調査報告」では、富士塚以外の塚として記載されている。

詳細は不明だが、古墳が極めて少ない地区なので、古墳であることが期待されている。

「大宮をあるく 1 東部編」によると以下のような伝承があるようだ。

【1】昔、東の岩槻城で何事か起きた時、この上でノロシをあげたので、ノロシ塚と呼ばれる

【2】刀剣を納めたので刀剣塚と呼ばれる

いずれも真実は不明だが、一般的には大塚山と呼ばれているようだ。
 

古墳の可能性は高い

この地域の古墳の情報は極めて薄いが、すぐ南側には縄文、古墳時代の集落跡もあり、古墳がない方が不自然に思える

さいたま市の遺跡地図では「塚」となっているが、この塚の周辺からは縄文時代中期〜古墳〜平安時代の土器片も
発見されており、やはり古墳の可能性は濃いと思われる

古墳だと良いと期待しましたが、
2014年の発掘調査により、
近世の塚と確定しました。 
 



▲(2008年撮影)
駐車場になっている東側から

住宅などで裾など削られている
部分はあるが、割としっかりとした
墳丘が残存しているのは
かなり貴重に思える

左記【1】のようにノロシ塚として
使用していたなら、古墳に盛土をし、
高さを保持していたのかもしれない



▲(2008年撮影)
 

宅地造成による消滅
(2019年3月追記)

2019年3月11日現在、2008年に、写真撮影した墳丘は確認できず

さいたま市遺跡地図と照合すると遺跡所在の場所には現在、住宅が建っている

念のため、過去(1990年以前)と現在の空中写真を比較したが、やはり、過去、古墳があったと思われる森の場所には現在、住宅が存在している

現在は、古墳の南側に広がっていた雑木林のみ残存しているようである

さいたま市遺跡地図によるとA-172号遺跡は発掘調査されたようなので、住宅建設前、削平されるに先立って調査されたのかもしれない
 

2019年04月追記

2014年、住宅建設により消滅

事前の発掘調査で、骨や銭が出土し、近世の塚であると判明

しかし、近世で遺骸を葬るために、これほどの大きな塚を築いたのか

以前から存在した塚を利用した可能性はないだろうか

いずれにしても、死者を葬った墓所であったことには間違いなく、宅地化されてしまったのは残念
 

所在地 埼玉県さいたま市(旧大宮市)見沼区蓮沼770 アクセス
駐車場

さいたま市の古墳地図
別名 大塚山、ノロシ塚、刀剣塚
さいたま市埋蔵文化財包蔵地 遺跡番号12-172
史跡指定  
築造年代 近世
形状 塚 高さ:4m 長さ:18.5m
【さいたま市の塚調査報告】
 ・東西:21.5m 南北:20.5m 高さ3.3m
埋葬施設 不明
出土遺物 骨、銭貨10枚、土器片
調査暦 2014年(平成26年) 住宅建設による事前発掘調査
文献 さいたま市文化財調査報告書 第二集
  「さいたま市の塚調査報告」 平成14年

「大宮をあるく 1〜東部編」大宮市教育委員会編集
埼玉県古墳詳細分布調査報告書
さいたま古墳めぐり古代ロマンの70基(さきたま双書)
埼玉の古墳 北足立・入間
埼玉県の歴史 (県史)
 

第一回探検日(写真撮影日) 2004年07月17日
第二回探検日(写真撮影日) 2008年11月20日
最新データ更新日 2019年04月28日



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