【古墳群としての情報はない】
佐野市は古墳が多い地域であり、周囲には蓮沼古墳群など多数の古墳群が存在するが、この赤見市場古墳が属する古墳群の情報は見つけられない。
佐野市遺跡地図には、遺跡番号40番で単独で記載されている。
周囲に消滅した古墳が多数存在し、古墳群を形成していたのかもしれないが、現状は単独で存在しているように見える。
【震災により石垣の崩壊、石室の発見】
かつて、墳丘は石垣で固められ、墳頂には星宮神社の社殿が鎮座しており、一見して古墳とは分からない外見をしていた(写真右下)。
しかし、2011年の東日本大震災により、墳丘を覆っていた石垣が崩落し、その改修工事中に石垣の下から横穴式石室が発見され、2012年、調査が行われ、複数の副葬品が確認された。
被災により、真岡市の中村大塚古墳のように非常に美しい石室が完全に崩壊した不運な例もあるが、この赤見市場古墳の場合は、このようなことがなければ、石垣の下の石室が日の目に見ることは、永遠になかったと思われ、複雑である。
【星宮(ほしのみや)神社】
栃木県は星宮神社が日本一多く、170社もあり、かつて星宮と称した神社を含めれば261社に上るという。
佐野市内には8社あり、その内の一社の境内に古墳は所在する。
震災前には墳頂に社殿がのっていたが、震災と石室調査後、社殿は古墳の中心部を避けて、再建されたようである。
境内には、庚申塔などの多くの石造物がある。
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