【蓮沼古墳群】
佐野市赤見町蓮沼を中心に分布する古墳群で、蓮沼古墳群、五箇古墳群、東山古墳群(?)の三群に大別される。
蓮沼地内の平坦な台地上に分布する蓮沼古墳群は佐野市遺跡地図には15基、十二天塚古墳前の解説板には16基確認されているとある。
第一回目の訪問時には解説板がなかったので、佐野市遺跡地図の発行から、解説板が建てられるまでの間に新たに1基発見されたのかもしれない。
ほとんどが10m〜15mほどの円墳で、古墳時代後期から終末期にかけての群集墳であるが、現存するのは最南端に位置するこの十二天塚古墳のみである。
北側の運動公園にかけた地域に古墳跡が数基、残存しているようだが、当方では未確認である。
【十二天塚古墳・蓮沼15号墳】
十二天塚古墳は赤見地区最大の円墳で、蓮沼古墳群全体で
も盟主的な存在であったと思われる。
墳頂の蓮沼神社に、十二天尊が祀られているため、十二天塚という固有名称で呼ばれるが、蓮沼古墳群の通番で蓮沼15号墳とされる。
1986年(昭和61年)、北側を通る市道1059線の改良工事に先立つ発掘調査で、道路部分に十二天塚古墳に続く堀の跡が発見された。
墳丘は直径45mほどの大きさだが、周堀を含めると90mにも及ぶ大規模な古墳であったことが判明した。
出土した円筒埴輪から、6世紀中ごろの築造と推定されている。
【十二天塚古墳】
南側に石灰岩を多用した横穴式石室が比較的良好な状態で残っており、玄室は平面プランでほぼ正方形である。
玄室入口、玄門部の上部に口が開いており、玄室内部は半分埋もれたような状態であり、内部に入っての見学は困難である。
玄門の手前には羨道が続いていたと推測されるが、天井石を失うなどして内部は埋もれているようである。
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