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のげおおつかこふん(にしおか8ごうふん) / えばらだいこふんぐん
野毛大塚古墳(西岡第8号墳)
/ 荏原台古墳群
【NOGE OTSUKA Mounded Tomb】
探検日(写真撮影日)  平成20年12月05日
データ作成日  平成20年12月08日
最新データ更新日  平成20年12月08日

史跡指定 東京都指定史跡 昭和50年2月6日指定
別名 西岡第8号墳、東大塚、塚山、吾妻塚、上野毛大塚、等々力大塚、等々力ゴルフリンクス内古墳
所在地 東京都世田谷区野毛1-25-1、玉川野毛町公園 Mapion地図
荏原台古墳群の支群・野毛古墳群中の一基。

関東地方では群馬県の女体山古墳に次ぐ規模の帆立貝型。
特殊な墳形や出土品の特徴などから、畿内王権との関わりが深いことが指摘されている。


←公園内に復元整備されている。

↑古墳前の説明板
↓クリックで拡大

 

【実測図】
「大田区古墳ガイドブック」付属の古墳散策マップより。

【形状】
前方後円墳(帆立貝型)
・三段築成
・前方部は極端に短く低い
・左くびれ部に一段と低い造出部

【サイズ】
全長:約82m
後円径:約60m
高さ:約10m

【周濠】
馬蹄形
最大幅13m
周濠含全長:104m

【葺石】
墳丘全体に河原石

円筒埴輪が各々の段にめぐらされている。

 


墳頂の説明板より→
クリックで拡大。

【埋葬施設4基】
・第1主体部:割竹形木棺
 粘土槨で覆われた長さ8m(最長)

・第2主体部:組合式石棺

・第3主体部:箱形木棺
 長さ4m
 第1主体部を凌ぐ量の武器類が出土
 第1主体の王の軍事的腹心の墓とされる

・第4主体部:箱形木棺
 最後の埋葬で副葬品は少ない

第1→第3→第2→第4と埋葬された。

【出土遺物】
墳丘からは円筒埴輪や朝顔形埴輪のほか、鶏・壺・家・楯などの形象埴輪

・第一主体部より
長方板皮綴短甲1、頸項、肩項、三角板皮綴衝角付冑1、鉄剣・鉄刀19、鉄続鏃25以上、刀子1、鉄鎌2、銅剣1、内行花文鏡1、石製模造品18、堅櫛30以上、勾玉4、管玉30、丸玉2、小玉・白玉2000以上

・第2主体部より
鉄刀、甲冑、石製模造品243、勾玉12、白玉37

・第3主体部より
鉄剣・鉄刀32、鉾2、鉄鏃約200、石製模造品14

・第4主体部より、直刀1、鉄剣1、丸玉2

後円部墳頂→
平らに固められている。
 


【調査暦】

1897年、地元の人々によって、発掘され、箱型石棺から、多数の副葬品が発見された。

1988の調査で、円墳ではなく、帆立貝型と判明。

1989年から4年計画で、保存整備のための調査が行われ、新たに3基の埋葬施設と大量の副葬品等が発見された。



 

←後円部墳頂より前方部(左)と作り出し部(右)。


←北側より。後円部。
3段築成の様子が良く分かる。
【参考文献】
武蔵野の遺跡を歩く-都心編
『大田区古墳ガイドブック』大田区郷土資料館編集

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