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              しおばらづかこふん / たぐちこふんぐん(みなみたちばなこふんぐん)
前橋市指定史跡 塩原塚古墳 / 田口古墳群(南橘古墳群)
 

※写真は全てクリックで拡大します※


塩原塚古墳

1935年(昭和10年)の群馬県下の古墳の一斉調査では旧勢多郡南橘(みなみたちばな)村(現前橋市)で45基の古墳(南橘古墳群)が数えられている。

田口町に所在するこの塩原塚古墳は、二群に大別したうちの田口古墳群(26基)に入るが、上毛古墳綜覧には記載されていない。

前橋市史(1971)には「名もなき小円墳のため一斉調査に漏れたが、所有者の名を取って塩原塚と名づけられた」と少々ディスられている。

1954年(昭和29年)に群馬大学により調査されており、角閃石安山岩削石互目積の横穴式石室を有しているため、1983年、前橋市の史跡に指定された。
 

横穴式石室

石室の壁は、角閃石安山岩の削石を互目積(ごのめづみ)にしてあり、奥壁の一部に截石切組積が見られる。

石室内からは少なくとも7人分と思われる歯などが出土しているが、石室の規模はせいぜい3体分くらいの収容スペースしかない。

副葬品のほとんどは最初の被葬者のためのものと思われ、最初から家族葬で、大人数を葬る目的で作られた石室ではなく、後から強引に追葬を重ねていったような感じである。


▲調査時の石室内の様子
 



▲北側道路から

古墳の碑と看板が建っている
 


▲西側から

中腹に開口部が見える

▲石室開口部

玄室より羨道の床の方が高く
なっているが、追葬の際に
追加された可能性がある

入口付近に転がる石は天井石?
 

▲玄室内部

崩落防止の土嚢が積まれており
石組みの様子がよく見えない

左右の壁に転び(上に行くほど
内傾する)が見られる
 

▲現地解説板
前橋市教育委員会による

かなり汚れて見づらくなっている

▲現地解説板の
石室実測図の拡大

玄室と羨道の床と高さの違い、
両袖型、玄室の転びなどがわかる
 
史跡指定 前橋市指定史跡
1983年(昭和58年)4月25日指定
アクセス
駐車場

前橋市の古墳地図 
別名 ・上毛古墳綜覧 記載漏れ
・前橋市0846遺跡 マッピングぐんま
所在地 群馬県前橋市田口町千手堂582-7
年代 7世紀
形状 円墳
径:14m 高さ:3m
埋葬施設 両袖型横穴式石室
全長:6m 玄室長さ:3.15m
奥壁下幅:2.10m 羨道入口幅:1.2m
出土遺物 直刀2、小刀1、刀子3、鍔2、鉄鏃9、耳環16、轡2、鐙吊り金具、辻金具、飾金具(群馬大学に保管)
周辺施設 葺石あり、埴輪列なし
調査暦 (発掘)昭和29.4.5〜昭和29.4.9 群大史研調査 更新履歴

探検日(写真撮影日) 2004年09月18日  
第二回探検日(写真撮影日) 2020年11月06日
最新データ更新日 2020年12月31日

文献 『前橋市史 第1巻』 1971 前橋市
【参考文献】
□前橋市史
□「群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編」群馬県教育委員会事務局文化財保護課
□上毛古墳綜覧〈1938〉

 


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第1章 保渡田古墳群の研究/第2章 上野における群集墳の成立/第3章 上野の初期横穴式石室の研究/第4章 上野における横穴式石室の変遷/第5章 角閃石安山岩削石積石室の成立とその背景/第6章 総社古墳群の研究/第7章 截石切組積石室の研究/第8章 古墳からみた5、6世紀の上野地域/第9章 古墳からみた6、7世紀の上野地域
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著者:群馬県埋蔵文化財調査事業団
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【目次】
第1章 古墳時代の群馬は元気だった―群馬古墳学入門/第2章 豪族居館の発見/第3章 埴輪と古墳と古墳時代/第4章 巨石横穴式石室と豪華な副葬品―綿貫観音山古墳とその被葬者/第5章 多田山の唐三彩が語る歴史/第6章 群馬における古墳研究の歩み―『発墳暦』から観音山古墳・三ツ寺1遺跡まで/学習へのいざない
群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社社
発売日:2005/01/01
サイズ/ページ:21cm/
定価:1,301 円

目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない
 

 

 

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