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てんとうづか(しょうりんざんだいいせき2ごうふん) / しょうりんざんこふんぐん
天頭塚(少林山台遺跡2号墳) / 少林山古墳群
 

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少林山古墳群

少林山古墳群は旧碓氷郡八幡村( うすいぐんやわたむら)、現在の高崎市の少林山台遺跡に所在し、少林山達磨寺の境内とその周辺に分布する、5世紀中ごろから6世紀後半までの円墳で構成される群衆墳で 、資料によっては少林山台古墳群と表記される。

個々の古墳の名称は「少林山〇号古墳(現地解説板など)」「少林山台〇号墳」など様々あるが、ここでは「群馬県古墳総覧」の表記の通り、「少林山台遺跡〇号墳」で統一しておく。

1935年(昭和10年)の群馬県下の古墳の一斉調査では、碓氷郡八幡村には50基の古墳の記載されており(上毛古墳綜覧〈1938〉) 、そのうち、43号〜50号と採番された8基の古墳が、この少林山台に属するもののようである。

また、1974年(昭和49年)発行のに「群馬県遺跡台帳II (西毛編)」には、「少林山古墳群」の名称で、「少林山達磨寺の境内に5基残っている」と記載 されている。

1989年(平成元年)〜1990年(平成2年)、少林山地区では地滑りの被害が多発したため、その対策事業の一環として、少林山古墳群を含む少林山台遺跡の調査が行われた。


少林山古墳群 分布図

※各種資料を基に独自に作成したもので
号数等に誤りがある可能性もあります。
 

少林山台遺跡2号墳

1935年(昭和10年)の群馬県下の古墳の一斉調査時に碓氷郡八幡村に数えられた50基のうちの一基で、碓氷郡八幡村45号古墳」と採番されている。

天頭塚」という固有名称もあり、奥壁に室町時代明応期(1492年〜1500年)に刻まれたと思われる地蔵菩薩の線刻画があることから、古い時代に開口 し、信仰の場として親しまれてきたようである。(達磨寺のHP(歴史)によると、碓氷(うすい)川のほとりに室町時代の末期から観音様を祀るお堂があったといい、その時代からのことか。達磨寺の創建は江戸元禄期の1697年と伝えられ、それよりもおよそ200年以上遡る古いものである)

上述の「群馬県遺跡台帳II (西毛編)」に記載されている「少林山古墳群」の達磨寺の境内 に残存するという5基のうちの1基に数えられたものかもしれない。

1989年(平成元年)〜1990年(平成2年)の少林山台遺跡の調査により、「少林山台遺跡2号墳」と採番され、現地解説板には「少林山2号古墳」と表記されている。

発掘調査が行われた古墳のうち、保存状態が良く、学術的価値が高いと判断されたため、原位置から少し南東へ移築復元されたとのことである。

原位置は、現在の達磨寺の南側の第一駐車場の中央あたりにあったものと思われる。
 



▲移築復元
 


▲南南西に開く石室入口

▲玄室入口にはアクリル板
 

▲周堀

▲玄室

持ち送り(上に行くほど狭くなる)
 

▲奥壁前の3石

棺床しの仕切り石のようである
 

▲奥壁の線刻仏画

アクリル板に阻まれ近づけないが
線刻が残っているのがわかる

▲地蔵菩薩

線刻の特徴等から室町時代
明応期のものと推定されている
 

▲現地解説板(左)
 

▲現地解説板(右)
 

▲横穴式石室

平面形は奥が広く、入口が狭い
羽子板状になっている
 

▲発掘調査時

墳丘は裾部が直に立ち上がり、
途中で緩やかになる特殊な造り
所在地 群馬県高崎市鼻高町字台324-1
少林山達磨寺 第一駐車場の南側
アクセス
駐車場

高崎市の古墳地図
別名 ・天頭塚、少林山2号古墳 (現地解説板)
碓氷郡八幡村45号古墳 「上毛古墳綜覧」
少林山古墳群 「群馬県遺跡台帳II (西毛編)」、現地解説板
少林山台古墳群
形状 円墳
全長(周堀含む):25.6m 墳丘長:12m
埋葬施設 片袖型横穴式石室
全長:6.2m 玄室奥幅:2.25m、高さ:約2m
出土遺物 周堀:埴輪(器財)、墳丘:埴輪(円筒、人物、器財)、須恵器
埋葬施設:刀、馬具、武器、刀子、ガラス玉、前庭:須恵器
周辺施設 埴輪列、周堀、葺石
調査暦 (発掘)平成元.4.24〜平成2.10.30  更新履歴

探検日(写真撮影日)  2020年11月27日
最新データ更新日  2020年12月16日

文献 『少林山台遺跡』 1993 (財)群馬県埋蔵文化財調査事業団
【参考文献】
□「群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編」群馬県教育委員会事務局文化財保護課
□上毛古墳綜覧〈1938〉
「群馬県遺跡台帳II (西毛編)」
群馬の古墳物語 ―東国の古墳と文化を探る― 下巻 少林山台古墳群
群馬の古墳物語 ―東国の古墳と文化を探る― 上巻
ぐんま古墳探訪―見て学ぶ東国文化の輝き

 


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上州路散歩24コース

著者:群馬県歴史教育者協議会
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上州路の散歩コースと散歩事典。東国一の古墳文化上毛野、江戸北辺の守り上州、近代化遺産の宝庫群馬、常に時代の先端であった上州の地を訪ねる。
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東国古墳時代の研究

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第1章 保渡田古墳群の研究/第2章 上野における群集墳の成立/第3章 上野の初期横穴式石室の研究/第4章 上野における横穴式石室の変遷/第5章 角閃石安山岩削石積石室の成立とその背景/第6章 総社古墳群の研究/第7章 截石切組積石室の研究/第8章 古墳からみた5、6世紀の上野地域/第9章 古墳からみた6、7世紀の上野地域
群馬の遺跡(4)

著者:群馬県埋蔵文化財調査事業団
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サイズ:単行本/177p
発行年月:2004年11月
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【目次】
第1章 古墳時代の群馬は元気だった―群馬古墳学入門/第2章 豪族居館の発見/第3章 埴輪と古墳と古墳時代/第4章 巨石横穴式石室と豪華な副葬品―綿貫観音山古墳とその被葬者/第5章 多田山の唐三彩が語る歴史/第6章 群馬における古墳研究の歩み―『発墳暦』から観音山古墳・三ツ寺1遺跡まで/学習へのいざない
群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社社
発売日:2005/01/01
サイズ/ページ:21cm/
定価:1,301 円

目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない
 

 

 

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