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ひらつかこふん / やわたこふんぐん
平塚古墳 / 八幡古墳群
 

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八幡古墳群・八幡地区】

八幡古墳群は烏(からす)川と碓氷(うすい)川に挟まれた八幡台地の中でも、 剣崎町(剣崎支台)、八幡町(八幡支台)中心に分布する。

八幡支台は群馬の石舞台とも呼ばれる国指定史跡観音塚古墳」など3基の大型の前方後円墳を中心に小さな前方後円墳1基、小規模な円墳20数基(八幡遺跡・消滅)から構成されている 。
 

平塚古墳

平塚古墳八幡古墳群の中心を成す3基の前方後円墳のうちの1基 。

3基はいずれも主軸をほぼ東西にとり、西に前方部を向けており、同じ一族の首長墓と考えられており、また、3基のうちでは、最も早くに造られている。

規模は105m以上と巨大であるが、他の2基、観音塚古墳が国指定、八幡二子塚古墳高崎市指定の史跡となっているにもかかわらず、この平塚古墳は何の指定もされていない。

そのためか、2基 の舟形石棺が出土した巨大古墳ににもかかわらず、古墳前には解説版も置かれていない。

この平塚古墳と県道を挟んだ西側の安中市板鼻には、先行して造られたと推定される龍的塚(荒木塚)古墳が所在する。


発掘調査

1957年(昭和32年)、 群馬大学により後円部のみ調査され、墳頂から、凝灰岩製の2基の舟形石棺が発掘された。

舟形石棺は主軸にほぼ並行に、南北に2基並列しており、南が1号石棺、北が2号石棺と名付けられた。(右図参照)

調査時には、既に盗掘により荒らされ副葬品はほとんど持ち去られており、挂甲小札 (けいこうこざね・鎧につける鉄製や革製の短冊状の小板)が出土したのみである。

また、2号石棺は北側が墓地となっているため、全容を調査できなかったとのことである。

その他、1971年(昭和46年)、2000年(平成12年)にも発掘調査が行われているようだが、調査報告書等が入手できず、詳細は不明。
 



▲公園化された東側(後円部)から

前方部が西側(写真の向こう側)に続いているが、
周囲は住宅地となっており、前方部側からは入れない。

後円部側からは上がっていかれる道があるが、個人の墓所がある
私有地であり、石棺は埋め戻されているため、墳頂に登ることは断念
 

▲後円部前の親子埴輪

説明看板等はない
 

八幡古墳群・八幡支台分布図
(各種資料を基に独自に作成)

 

▲平塚古墳墳丘と石棺の配置

が1号石棺、が2号石棺
 

▲平塚古墳の2つの石棺

左が1号石棺、右が2号石棺

▲発掘された1号舟形石棺
 

▲発掘された2号舟形石棺
史跡指定 なし 所在地 群馬県高崎市八幡町毘沙門甲863-1、861-1外
所有者:個人
別名 平塚古墳「群馬県遺跡台帳 No.621」
碓氷郡八幡村6号古墳 上毛古墳綜覧〈1938〉
アクセス
駐車場

高崎市の古墳地図
築造年代 5世紀後半
形状 前方後円墳 全長:105m
前方部幅:56m
後円部径:66m 後円部高さ:約9m
埋葬施設

竪穴系石槨?(舟形石棺2)
【1号石棺】 長さ:約2.06m 幅93cm〜97cm
【2号石棺蓋】 長さ:約3.08m 幅90cm

出土品 周堀:埴輪(円筒、人物、馬、器財)
墳丘:埴輪(円筒)
周辺施設 周濠、埴輪列
発掘 (発掘)昭和32、昭和62.4.3〜昭和62.11.10
平成12.10.10〜平成12.11.10
参考資料 『八幡二子塚遺跡』 1998 高崎市遺跡調査会
『新編 高崎市史 資料編1』 1999 高崎市
更新履歴

探検日(写真撮影日)  2002年00月00日
第二回探検日(写真撮影日)  2020年04月25日
最新データ更新日  2020年07月24日

【参考文献】
□高崎市文化財報告書第404集「若田坂上遺跡2」 市道C-1001号歩道橋整備に伴う埋蔵文化財発掘調査 2018
□高崎市文化財報告書第412集「剣崎東村遺跡」宅地分譲工事に伴う埋蔵文化財発掘調査 2019
群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編
□群馬県遺跡台帳II 西毛編 群馬県文化財保護協会
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館

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【目次】
第1章 保渡田古墳群の研究/第2章 上野における群集墳の成立/第3章 上野の初期横穴式石室の研究/第4章 上野における横穴式石室の変遷/第5章 角閃石安山岩削石積石室の成立とその背景/第6章 総社古墳群の研究/第7章 截石切組積石室の研究/第8章 古墳からみた5、6世紀の上野地域/第9章 古墳からみた6、7世紀の上野地域
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【目次】
第1章 古墳時代の群馬は元気だった―群馬古墳学入門/第2章 豪族居館の発見/第3章 埴輪と古墳と古墳時代/第4章 巨石横穴式石室と豪華な副葬品―綿貫観音山古墳とその被葬者/第5章 多田山の唐三彩が語る歴史/第6章 群馬における古墳研究の歩み―『発墳暦』から観音山古墳・三ツ寺1遺跡まで/学習へのいざない
群馬の遺跡(5)

出版社:上毛新聞社
発売日:2005/01/01
サイズ/ページ:21cm/
定価:1,301 円

目次:
第1章 こうして古墳時代は始まった
第2章 黒井峯遺跡の発見
第3章 水田と畠
第4章 炉からカマドへ、農民たちの生活
第5章 群馬県の古墳時代集落研究のあゆみ―入野遺跡から黒井峯遺跡まで
学習へのいざない

 

 

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