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          へいちじんじゃこふん(みどりむら81ごうこふん)
藤岡市指定史跡 平地神社古墳(美土里村81号古墳)
 

※写真は全てクリックで拡大します※


平地神社古墳

現在の群馬県藤岡市、かつての 多野郡美土里村に所在する、藤岡市最大級規模の模様積みの石室を持つ円墳。

平地神社の境内(社殿と道路を挟んだ南東側)に所在しており、平地神社の所有である。

墳頂には稲荷大明神が祀られており、小さな2つのお社が鎮座する。

1935年(昭和10年)の群馬県下の古墳の一斉調査では、 美土里村には85基の古墳が確認されており、この平地神社古墳美土里村81号墳と採番されている。

500mほど西側を流れる鮎川を挟んだ対岸には、南北約2キロにわたる、群馬県でも屈指の大古墳群である白石古墳群が展開されており、「毛野国白石丘陵公園」として大々的に整備が進められている。

鮎川の東側にも、この平地神社古墳を中心とした古墳群が展開されていたと推定されるが、ほとんどが消滅してしまい、詳細は不明である。

500mほど南西に天神塚古墳(美土里村84号古墳)中大塚塚越152号古墳(美土里村83号古墳)の2基のみ現存を確認できた。

3基は、同一のグループを構成していたと思われる。


▲現地解説版


余談だが、平地神社には、藤岡市名木百選に選ばれた樹齢200年以上の「夫婦銀杏」や「シイノキ」などがあり、一見の価値がある。



▲西側から

比較的、保存状態が良い
 


▲石室入口

台形に開く前庭が付設する

▲墳頂の稲荷大明神
 

▲石室脇の現地解説版と標柱

▲羨道から、玄室

石室は施錠されて入れない
 


模様積みの石室

10mにも及ぶ長い石室を持ち、玄室はやや胴張りで側壁は模様積みとなっている。

模様積みとは珪岩質の転石を中心に片岩製の棒状の石を配する独特な石積み技法で、藤岡市域から埼玉県児玉郡周辺に見られ 、群馬県で17基確認されている。

同じ藤岡市で、2kmほど北西に所在する、非常に美しい石室を持つ伊勢塚古墳に代表され、さらにその北の高崎に位置する山名古墳群山名原口II遺跡2号古墳の模様積みも覆い屋で保存されており、見ることができる。

いずれも同じ年代、6世紀後半頃に造られたと思われ、3基のうちでは、この平地神社古墳の石室、玄室長が最も長いものである。

主観ではあるが、精巧さと美しさで言えば、伊勢塚古墳が一番ではないかと思う。
 

▲細長い羨道の側壁

川原石の乱石積み
 
史跡指定 藤岡市指定史跡
1970年(昭和45年)4月15日指定
所在地 群馬県藤岡市中大塚(字宮前)1203
旧多野郡美土里村  所有者:平地神社
別名 No.1281平地神社古墳 「群馬県遺跡台帳」
美土里村81号古墳 「上毛古墳綜覧〈1938〉」
遺跡番号 古157 「マッピングぐんま」
アクセス
駐車場

藤岡市の古墳地図
築造年代 6世紀後半
形状 円墳
径:33m 高さ:3.5m
埋葬施設 両袖型横穴式石室 (羽子板状)
全長:9.7m 玄室長:5.3m 玄室高:1.9m
出土遺物 墳丘:埴輪(円筒)
埋葬施設:刀、武器、人骨、歯
周辺施設 葺石、埴輪列
調査 (発掘)昭和35.3
文献 『藤岡市史 資料編 原始・古代・中世』 1993 藤岡市  

探検日(写真撮影日)  2020年01月29日
最新データ更新日  2020年06月30日

【参考文献】
□「群馬県古墳総覧〈2017〉本文・一覧表編/古墳分布図編」群馬県教育委員会事務局文化財保護課
□「東国文化副読本 〜古代ぐんまを探検しよう〜」 群馬県文化振興課
□「古墳めぐりハンドブック」群馬県立博物館
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